海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】「警察犬を攻撃した者に刑罰を」犯人に腹を切り裂かれたK9のハンドラー、訴え実る(英)

ウォーデルさんはとにかくやるせなかったという。

「動物への虐待や傷害行為は、動物保護法(Animal Welfare Act)により最も重いものでも6か月の懲役が科せられるだけだ。さらに命懸けの捜査の前線にありながら、警察犬への攻撃に対しては『器物損壊罪』が適用されるのみだ。なぜ警察犬は犠牲になっても軽視されてしまうのか。そんなバカなことがあってよいのだろうか。」

なんと彼を刺した犯人は、裁判では窃盗罪についてのみ問われて服役生活はたった4か月で刑期満了となっていた。ウォーデルさんはその事件をきっかけに、警察犬に攻撃する者があればそれについても罰することができるような新たなる法の制定を求める動きに出た。その法案の名は「フィン法(Finn’s Law)」。オンラインでの嘆願書には数日間で13万人以上が署名し、議会に大変なプレッシャーをかけた結果、フィン号が瀕死の重傷を負ったわずか5週間後の2016年11月14日、国会でフィン法についての議論がなされた。

その結果、K9は警察の所有物ではなく痛みや苦しみの感覚を持った生き物として扱われることが議決された。しかし動物虐待に関しては最高6か月の懲役刑に処するという刑期のままであることに、法としてあと一歩の前進を求める働きかけが王立動物虐待防止協会(RSPCA)など多方面からあり、更なる交渉が続けられた結果、ついにその懲役刑が最高5年に引き上げられようとしている。

同年12月20日、再び捜査チームのメンバーとして任務に復帰したフィン号であったが、昨年3月末にはK9としての現役を引退した。警察犬として素晴らしい実力を発揮してくれたフィン号を送り出し、片腕をもがれたかのような喪失感を味わっているハートフォードシャー州警察の人々。しかし人間のエゴのせいで大変な使命を負わされたフィン号には、本当に痛々しい思いをさせてしまい、さぞかし申し訳ない気持ちでいっぱいなのであろう。

画像は『Metro 2018年1月28日付「Hero police dog stabbed with 10inch blade while on duty」(Picture:Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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