結成20年となる兄弟ユニット・F-BLOODが6月21日に9年ぶりとなるアルバム『POP‘N’ROLL』をリリースした。その藤井フミヤと藤井尚之が21日に放送されたラジオ番組『坂本美雨のディアフレンズ』(TOKYO FM)にゲスト出演してニューアルバムのコンセプトなどをトークするなか、地元福岡県久留米市でバンドを結成した頃のエピソードも飛び出した。
チェッカーズと言えば藤井フミヤをメインボーカルにしたコーラスが魅力の1つだが、藤井尚之によるサックスも重要なアクセントである。ところが当初はチェッカーズの前身となるバンド時代にベースが抜けてしまい、フミヤが母親から「弟もバンドに入れてあげなさい」と言われたこともあって尚之がベースとして入った。やがて大土井裕二がベースとして加入すると行き場を失った尚之は「お前、サックスやれば」と勧められるのだ。
彼らが目指したロックンロールやドゥワップではサックスがよく使われていた。当時、周囲のバンドでサックスを取り入れるバンドは珍しかったので尚之も「これは目立つな」と飛びつく。驚きなのは彼が全て自学で覚えたということだ。毎日のように自転車の荷台にサックスを括りつけて筑後川まで行っては橋の下で練習していたという。
F-BLOODでも藤井尚之のサックスが活躍するが、藤井フミヤは「同じDNAを持つ藤井兄弟」ならではのハモリが特徴だという。「ハモリ具合が他の人とは違う、まるで“狩人”のよう」とフミヤが言えば、尚之は「ぴんから兄弟」とたとえた。ただフミヤは、ハモって「気持ちいい」というより「あ、F-BLOODだなぁ」という感覚だと明かす。
基本的にハモリは尚之が担当するが、フミヤより高音域が出せないのだ。「普通ハモリパートというのは3度上をいくのよ、ゆずの場合そうなんですよ」「(尚之は)低い方でハモってくるのよ、だからこれも特徴だよね」とフミヤが説明すると尚之も「だからそんなに明るくならないかも」と否定しない。