英スコットランド、イースト・ロージアンのハーディントンに住むテス・ニューオールさん(29歳)は、2015年8月にアルフレッドさんと婚約した。そして昨年6月、家族にとって代々思い入れのある高祖母のウエディングドレスを着て式を挙げた。
テスさんが着たドレスは、祖母ジョアナ・トーリンさん(88歳)の自宅の屋根裏部屋で偶然目にしたものであり、テスさんの高祖母にあたるドーラ・トーリンさんが挙式をした時に着用した1870年代のアンティークのドレスであった。
美しい総レースのドレスに身を包んで結婚式を挙げたテスさんは後日、ドレスをエディンバラにある評判の良い「Kleen Cleaners」というドライクリーニング店に出した。その時に店側から「仕上がりに10週間はかかる」と言われるも、それ以降全く連絡がなかったという。そこでテスさんの父親がクリーニング店を訪ねると、なんとドレスが店から消えていることが発覚した。
店側によると、経営者が替わり店内を整理したことで預かったウエディングドレスが紛失してしまったというのである。「私たち以外にも預けたものを紛失されたというお客さんが結構いたようです。もし店側に盗まれてヴィンテージショップに売られていれば、誰かが買う可能性もあります」と不安を隠せなかったテスさんは、Facebookに「誰かドレスを見つけてください」とメッセージを綴った。
「世界には、もっと深刻な問題が起こっているのは十分承知しています。でも、このドレスが紛失したことは私たち家族にとって大きな問題なのです。高祖母から引き継がれているこのドレスには家族の大切な思い出が詰まっています。どうかこの投稿をできるだけ多くシェアしてください、お願いします。」
するとたった1日で283,000以上のシェアとなり、このテスさんの投稿はイギリス国内はおろかアメリカやオーストラリア、南アフリカなど世界中に拡散された。さらにウエディングプランのサイト『Bridebook.co.uk』も、全国にある約1,000店舗のウエディングドレス店に問い合わせの協力をする意向を示してくれた。
「紛失したという店側を糾弾するつもりもなく、ただドレスが手元に戻って来てほしい」と願っていたテスさんに奇跡が起こった。ドレスはテスさんが預けた「Kleen Cleaners」ではなく、既に閉店している「Wylie&Bisset」というクリーニング店にあり、他の衣類と一緒に床に山積みにされていたという。その店の大家がテスさんの投稿を知り、店を調べてくれたことで見つかったそうだ。
「Wylie&Bisset」側が送付した手紙によると、見つかったドレスは“手続き上の理由”により一旦グラスゴーのオフィスへ持って行かねばならないが、後日必ずテスさんのもとに郵送することを保証しており、テスさん一家は安堵したという。テスさんがFacebookにドレスが発見されたことを更新したところ、2000件以上の喜びのコメントが寄せられている。
出典:https://www.facebook.com/tessamairi
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)