「75歳の女性に10年間食事を届けているが、このところどうも様子がおかしいようだ。昨年7月以来ずっと同じ椅子に座り、動いているのを見たことがない。一度様子を見て欲しい。」
今月16日午後6時30分ごろ、地元教会のボランティアからの通報を受けて、オハイオ州のスプリングフィールド・タウンシップに住むバーバラ・フォスターさん(75)宅にレスキュー隊が駆け付けた。
郡保安官事務所の報告によると、バーバラさんは昨年7月以来リビングルームの椅子に座ったまま動けなかったようで、床には汚物が垂れ流しで放置され、その強烈な臭いは自宅前の通りに面した庭にいても確認できるほどだったという。バーバラさん宅に出入りしていたボランティアの男性は「彼女の家からはいつも悪臭が漂っていた」と明かしており、レスキュー隊は異臭、最悪の衛生状態に対応するため防護服を着用して対応にあたった。
身長165センチ、体重250キロという大柄なバーバラさんだが、レスキュー隊が自宅から運び出した時はかなり衰弱しており、身体の痛みを訴えて悲鳴をあげていたもよう。長い間座ったままだったため骨が脆くなっており、移動の際に身体のあちこちの骨が折れてしまったようだ。この日、地元のトレド・メディカル・センター大学病院で治療を受けたようだが、詳しい容態については明らかになっていない。
バーバラさんの隣に住んで10年になるという男性は、静かな住宅街に突然現れた隊員らに驚いた様子で、地元メディア『toledoblade.com』のインタビューに「うちの庭の芝を刈っていた時に彼女を見かけて手を振ったことはありますが、話をしたことは一度もありません。ここ2~3年は姿を見かけませんでしたが、まさかこんな状態になっているとは思いもしませんでした」と述べている。
ちなみに昨年9月には、家の中でハト350羽を放し飼いにしていた男性が警察の手入れを受けていた。この男性は部屋の中で酸素マスクをして暮らしていたが、悪臭を放つ隣人が大迷惑であるのは言うまでもない。また、いざという時のために普段からご近所とコミュニケーションを取っておくことは大切だが、相談相手のいないお年寄りの悲しいニュースはあとを絶たない。死んだ息子を屋根裏部屋に10年間も寝かせていた母親はその一例といっていいだろう。
出典:http://www.wtol.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)