エンタがビタミン

writer : sekihara

【エンタがビタミン♪】<香里奈インタビュー>演じるのは“嫌われる女” 異色の刑事ドラマ『嫌われる勇気』

香里奈が今回演じるのは、主人公の刑事・庵堂蘭子。難事件を次々と解決に導いてきた実績を持つが、常に自分が信じた道を行く一匹狼タイプ。他人からの評価や評判を全く気にせず、自分の中で違うと思ったことはすぐに口に出す上、否定することはあまりにもきっぱり否定する。アドラー心理学を地でいく、いわば“ナチュラル・ボーン・アドラー”である。

■心理学を刑事ドラマに脚色した異色のドラマ
―ドラマは、心理学を刑事ドラマに脚色したということで、変わった設定ですね。この話を聞いたときはどのように思いましたか?
香里奈:本当にそのように思いました(笑)。アドラー心理学という言葉を聞いたのは初めてで、原案も読んだんですけど、「哲人」と「青年」の対話劇なので、それを「どのように刑事ドラマに落とし込むのか?」という不思議もありました。脚本を読んで「ああ、こういう風に展開されていくんだ…」と、驚きがありました。

■主人公・庵堂蘭子は言うことはきついが筋が通っている女性
―香里奈さんが演じる“庵堂蘭子”はどのような女性ですか?
香里奈:アドラー心理学が生まれながらにして身についている女性で、言い方や言葉はきつく聞こえると思うんですけど、筋が通っていて、聞くとハッとさせられることがすごく多くて「なるほどな」と。印象が強く考えさせられるセリフが多いなと思います。

―印象的なセリフといえば「明確に否定します」というのがありますね。流行語になりそうですが(笑)。でも、明確に否定するのって難しいですよね?
香里奈:特に日本は協調性を大事にする社会ですよね。人に気を遣ったり思いやりが大事な社会だと思うので、アドラー心理学を実践するのはより難しいかもしれないと感じました。

■プライベートでは気持ちを伝えるのは難しい
―そんな蘭子に香里奈さんが共感できる部分はありますか?
香里奈:蘭子は言い方はきつかったりストレートにものを言うので、びっくりすることは多いんですけど、言い回しを変えたりすると、受け入れられることもあるんじゃないかなと。そういう風に思えば、蘭子って“自分の気持ちをちゃんと相手に伝える”ということをしているんです。相手のことは考えてはいないんですけどね(笑)。そういう意味では言っていることはグサッと心に刺さることが多いし、自分の気持ちを伝えるという部分では共感もできるし、自分もそうでありたいなというところはあります。

―「気持ちを伝える」ですか。香里奈さんは気持ちをはっきり伝えるタイプですか?
香里奈:仕事においては雑誌でもお芝居でもみんなで一つの作品を作っていくことが多いので。自分が役で迷ったり、考えていることは監督に相談したり、逆に監督の意見を聞いたり…気持ちは伝えつつも、意見交換をするように心がけています。

―プライベートで言いづらいことはありますか?
香里奈:ありますね。仕事だとそのものに向かって明確ですけど、プライベートって難しくないですか? プライベートは「この仕事が終わったら次」じゃなくて、ずっと人生って延長線だから、やっぱり相手のことも周りのことも気になるし、「これ言ったら大丈夫かな?」って、仕事よりも考えちゃいます(笑)。

テックインサイトのインタビューに応じる香里奈

■共演の加藤シゲアキさんとは正反対のタイプ
―今回、影の主人公とも言える青山年雄役をNEWSの加藤シゲアキさんが演じていますね。加藤さんの印象はいかがですか?
香里奈:初めてお会いしたんですけど、テレビで見る感じのままで、好青年という感じで頭もいいし、私と正反対のタイプの方でした。

―正反対とは? どういう点ですか?
香里奈:全部です(笑)。先日一緒に出演した『ホンマでっか!?TV』で「取扱説明書を読む派? 読まない派?」というのがあって、私は「読まない派」でとりあえず動かしてみて分からなかったら読む。でも彼は一通りしっかり読むらしくて、きっといろいろなことに対してしっかりと分かったうえで全部やりたい方なんですね。いろんなことを話しているときに「自分だったらこう思う」というのが絶対にいつも違うんです。だから逆に面白いなと思います(笑)。

■椎名桔平さんは変わらず優しい人
―では、もうひとりのメインキャラクター・大文字哲人役の椎名桔平さんはいかがですか?
香里奈:10年ほど前に1度共演させていただいているんですが、それ以来ですね。今回久しぶりに共演するにあたって楽しみと恥ずかしさもありました。この前、短いワンシーンだけご一緒だったんですけど、相変わらず“桔平さん”っていう感じで全然変わらずでした。すごく優しい方です。

「ドラマを見て気が楽になってくれれば嬉しい」と香里奈

■勇気を出してもっと勉強すれば良かった
―過去に勇気を出せば良かったなと思うことは何かありますか?
香里奈:勇気を出してもっと勉強すれば良かったと思います。(これまで)あまり勉強してこなかった、というのもアドラー心理学的に言えば、自分でその道を選んできたわけですが。その当時にたとえば(勉強するために)勇気を出して遊びを断ったり、仕事をセーブしたりする勇気があれば、もうちょっと変わっていたのかなと。たとえば語学とかパソコン系は、いろんなことに活かせるじゃないですか。そういうことを幅広く勇気を出してやれていたらどうなっていたのかなと。

―今からでも勉強できそうですね?
香里奈:そうなんです。自分の道は自分で選ばないとならないんです(笑)。

―かなりアドラー心理学に影響されているようですね(笑)
香里奈:たぶん今、台本を読んでいるから、いろいろな物事をそうやって(アドラー心理学的に)解釈するのが楽しいんだと思います。ただそれを実践するかというと、なかなか難しいことなので。何かできたらいいなとは思います。

■ドラマを見て気が楽になってくれれば嬉しい
―アドラー心理学を知らなかったり、原案を読んでいない人でもドラマを理解できますか?
香里奈:原案の中に出てくる言葉が脚本の中にもポイントで出てくるんですけど、原案を読んでいる人でも、読んでいない方でも分かりやすく説明されていて、より演出によって見やすくなっているので、気軽に見られるのではないかと思います。深く考えさせられる言葉がたくさん出てくるので、対人関係などで悩みがある方が見ても、自分は自分でいいんだなとか、そんなに悩まなくもいいんだなとか、明日から頑張ろうとか、ちょっと前向きになったり、気が楽になってくれれば嬉しいなと思います。

ヘアメイク・SHIO/スタイリスト・渡邉恵子 衣装:赤オフショルダ―トップス 11,800円+税/DRWCYS 03-3470-6511 デニム 27,000円+税/Cry. 03-5785-1453
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)

ドラマ『嫌われる勇気』で庵堂蘭子を演じる香里奈

1 2