writer : tinsight-takazawa

シニア世代もファッションをもっと楽しみたい! 待たれる「ユニバーサルファッション」の実現

この調査は、シニア世代向け洋服の製造・販売で知られる株式会社ケアファッションが、全国の50歳から79歳までの男女500名を対象に、今年11月2日から7日までインターネット調査で行ったもの。

まず「いくつになってもファッションを楽しみたいと思いますか?」と質問してみたところ、「とても楽しみたいと思う」が12.2%、「楽しみたいと思う」が32.0%、「どちらかと言えば楽しみたいと思う」が30.2%という回答が得られた。つまり、合わせると74.4%もの人が、程度の差はあれどファッションを楽しみたいと考えていることが分かった。それに対して「いくつになってもファッションを楽しめると思いますか?」との質問には、「とても難しいと思う」「難しいと思う」「どちらかと言えば難しいと思う」を合わせて6割超の人が「難しい」と回答した。これにより、ファッションを楽しみたいという希望を持ちながらも、現実的には難しいという実状がうかがえる。

いくつになってもファッションを楽しみたいと思いますか

では、なぜファッションを楽しむのがシニア世代には難しいのか。同調査では「体型の変化で着られなくなった服がある人」が8割を超え、「加齢による体力・運動能力の低下が原因で着られなくなった服がある人」も7割近くいた。そのような人に向けて、老後の体型の変化や脱ぎ着のしやすさ、動きやすさなどの機能性を考慮しつつも、ファッション性の高さも持ち合わせた衣類を送り届けようという動き「ユニバーサルファッション」をご存知だろうか。しかし、前述の調査でシニア世代は、「ユニバーサルファッション」について「あまり知らない」「全く知らない」と回答した人が合わせて84.4%と、まだまだ認知されていない現状だ。

ユニバーサルファッションという考え方をご存知ですか

この「ユニバーサルファッション」に賛同する神戸芸術工科大学ファッションデザイン学科の見寺貞子教授は、「ユニバーサルファッションとは、高齢や障害で体が不自由になっても元気におしゃれを楽しむスタイルや考え方を実践することです。若い時のきれいやおしゃれは当たり前。高齢になっておしゃれをすれば、まわりの人たちは褒めてくれるし、見てる側も気持ち良い。何よりも、おしゃれに関心を持つことは、体と心のビタミン剤としての効果があり、予防医学につながると考えています。」とそのメリットに触れている。

「ファッションとは、とかく、若者のシンボルのように思われがちです。でも、高齢社会と言われる時代に何か矛盾しているような…。」と疑問を呈している見寺貞子教授。シニア世代の“希望”を“現実”に変えるためにも、「ユニバーサルファッション」の実現が必要なようだ。
(TechinsightJapan編集部 高沢みはる)

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