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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】ジカ熱、涙や汗を素手で触っても? 米・ユタ州親子の不可解な感染 主治医が発表

ユタ州ソルトレイク郡で今年6月、ジカ熱に罹患した73歳の男性患者が死亡した。前立腺癌も患っていた中、ジカ熱の流行地域であるメキシコ南西部の海岸に渡航して帰国後に体調を崩し、喉の痛み、結膜炎と呼吸困難を発症して入院したことから血液中の抗体を検査したところ、通常の感染者の10万倍という大変な値であることが判明した。男性は過去にデング熱にも感染しており、そこにジカウイルス感染が加わって症状がいっきに重症化した可能性があるという。

またすでに回復しているが、男性からの感染が確認されたのはその息子であった。父親の看病をするなかで感染したとみられるが、流行地への渡航もなく、居住地の標高が高いことからジカウイルスを媒介する蚊はいない。また親子間の輸血や性交渉も考えられないことから、専門家らは“新たなる感染経路”として調査を進めていた。

そんななかでこのほど医学誌『New England Journal of Medicine』に、ユタ・スクール・オブ・メディスン大学附属病院でこの親子の治療にあたった感染症が専門のサンカー・スワミネイサン博士が論文を発表。息子は父親の体の汗や涙を手袋なしで拭いていたとし、家族や医療スタッフには患者の血液、精子ばかりか尿、唾液、母乳、涙、汗などにおいてもウイルスが生き続けているという新たな認識と警戒感が必要であると警鐘を鳴らした。この親子のケースでも、マスクや手袋の着用を守って看病にあたっていたほかの家族、そして医療スタッフはウイルスに感染していないという。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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