日本でも、大きな騒ぎとなっているデング熱の発生。すでに130名を超す患者が確認されている。それはヨーロッパの島国でも同様であった。このほどイギリスでも患者が確認され、人々に不安が広がっている。
東京都立代々木公園での発生を皮切りに、国内の各地で患者の発生が報じられているデング熱。地球温暖化なども原因となり、コレラ、マラリアなどと同様に世界レベルで発生危険地域が拡大していると懸念する声が多い。そのような中で、フランスやイタリアに続いてこのたびはロンドン南東部の英ケント州で患者が確認され、ヨーロッパ各地でいっきにデング熱への警戒感が強まっている。
日本では、これまでは60年以上にわたり国内感染例がなかったデング熱。ウイルスを媒介するのは主に「ヤブ蚊」だが、その中でも特に恐れられている種類がヒトスジシマカ(英名はAsian Tiger mosquito)。これはチクングニア熱、西ナイル熱、黄熱をもうつすことから、衛生害虫とされている。世界保健機関(WHO)は2010年以降フランス、クロアチア、イタリア、中国ほかで患者を確認したが、特に南北アメリカ大陸での2013年のデング熱患者は235万人であったと発表している。
ヒトスジシマカが北米に棲みついた原因は、東アジアから米国東部に輸出された古タイヤに含まれていた雨水。ヤブ、沼、池、公園ほかの水たまりを好み、春から晩秋まで生息する。長年デング熱を恐れてきた東アジアの人々は、異口同音に「家の周りでも地域でも、とにかく誰もが水たまりをなくす努力をするしかない」と語っていることから、行政に対して排水溝にフタをする、公園から噴水や池をなくすといった対策を求める声も次第に高まっているもようだ。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)