番犬として、常にしっかりと役目を果たそうとした1頭のオスのドーベルマン。4匹のコブラが家族を襲おうとした時、彼がその忠誠心とドーベルマンとしての本能を発揮しないわけはなかった。あまりにも突然すぎた飼い犬との切ない別れに家族は大きなショックを受けている。このほどインドで…。

インド・シカンダラーバードのメディア『deccanchronicle.com』が伝えているところによれば、実に勇敢な闘いぶりで恐ろしいコブラから家族8名の命を守り抜いたのは、オリッサ州ガジャパティのセバクプール村に暮らすディバカー・ライタさん宅のオスのドーベルマン。ほんの3か月ほど前に飼い始めたばかりであったという。

4匹の野生のコブラは11日夜、突然ライタさん宅の玄関に現れた。決して侵入させまいとドーベルマンはそこに立ちはだかり、激しく吠え、攻撃をやめることはなかった。数時間にわたる血みどろの格闘を繰り広げた彼らはやがてすべてが死亡。片方は体の節々を食いちぎられ、片方は咬まれたことで猛毒が全身に回っていたのだ。

セバクプール村は山の麓に位置し、コブラをはじめとする爬虫類や野生動物が時おり里に下りてきては人々に恐怖感を与えてきたという。名前も明らかにされていないことから、そのドーベルマンもただ番犬となるためだけに飼われた可能性も高い。しかしこの話題は村の周辺地域にまで広がり、何百人という人々がライタさんの自宅に駆けつけてドーベルマンの亡骸に手作りの花輪を置いて祈りを捧げた。人間など到底及ばない攻撃力を持ちながら“飼い主は絶対”という無償の忠誠心を持つ犬。そのひたむきさは畏敬の念にも値する時がある。

出典：http://www.deccanchronicle.com
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）