インドネシアのある村で今月3日、29歳の女性歌手がショーの最中にキングコブラに噛まれて死亡した。『mirror.co.uk』などが報じている。
キングコブラに噛まれて亡くなったのは、イルマ・ブレさん(Irma Bule、29)。“ダンドゥット”と呼ばれるインドネシア独特のポップ・ミュージックを得意とし、これまでにもニシキヘビやボアコンストリクターなど比較的大型の蛇を扱ったパフォーマンスで観客を魅了してきた。
この日、イルマさんがカラワンの村でのステージにて扱ったのは猛毒を持つキングコブラ。観客のひとり、Ferlando Octavion Auzuraさんは「2曲目を歌い始めてすぐでした。イルマさんが誤ってキングコブラの尻尾を踏んでしまったのです。すかさずキングコブラはイルマさんの太ももを噛んでいました」と証言する。そばにいた蛇使いの男性が解毒剤を勧めたものの、彼女はそのままショーを続行したという。
しかし45分後、イルマさんは突然嘔吐。何度か発作を繰り返すとステージ上で崩れ落ち、病院に搬送されたものの死亡が確認された。
キングコブラの毒は神経毒で、毒腺が大きいため一噛みで7ミリリットルの毒を出し、人間なら20人、象であれば1頭を殺すことが可能だという。注入された毒が回ると筋肉の麻痺が起こって呼吸不全となり、人間なら早くて15分で死に至る。
「ツララ・スネークリサーチセンター」の専門家は「インドネシアの村々では蛇を扱ったショーが人気です。蛇に噛まれた場合、その場所が心臓からどれだけ離れているかによって死に至るまでの時間も変わってきます」と話す。キングコブラはステージ用に牙を抜いてあったというが、警察は事故の詳しい原因を調べるとともに観客にも聞き取り捜査を行っている。
出典:http://www.merdeka.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)