中東発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【中東発!Breaking News】2022年カタールW杯開催が決定した陰に巨額の賄賂? FIFA徹底した調査を迫られる。

サウジアラビアら近隣国との不和が表沙汰になり、「2022年FIFAワールドカップ」の建設プロジェクトに影響が出るのではないかと案じられているカタール。ここでの開催が決まった投票の背景に高額な贈収賄が存在したという疑惑が浮上し、FIFAは徹底した調査を迫られている。

英紙『デイリー・テレグラフ』は今、カタールで「2022年FIFAワールドカップ」の大会開催が決定した背景には、FIFA会長選における買収疑惑で2011年6月に辞任したジャック・ワーナー氏に、巨額の賄賂が渡ったとの疑惑を報じている。2010年12月に行われた開催地を決める投票の前に、アジアサッカー連盟会長(当時)のモハメド・ビン・ハマム氏が関わる会社から約1億2200万円のお金を受け取る約束が交わされ、具体的には翌年7月に支払われたというのだ。建設プロジェクトも含め、贈収賄の疑惑がこれまで幾度も報じられてきた「カタール大会」。どれも証拠不十分で鎮火となっていたが、FIFAはこの件についても「調査の結果を待つのみでコメントは出来ない」としている。

カタール大会まであと8年だが、ここは今、他にも2つ大きな問題を抱えている。国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は最近、ドーハで建設工事にあたっている出稼ぎ労働者たちが、大変劣悪な労働環境におかれていることを問題視し、FIFAに改善を促すよう強く求めた。現地のネパール人労働者が、灼熱の太陽の下での過酷な労働から次々と死亡したことを英メディアが報じたのがきっかけである。

また、安全面での懸念も高まっている。昨年11月の湾岸協力会議(GCC)で話し合われた内容を無視し、危険な組織とみられているイスラム主義組織ムスリム同胞団を支援し続け、カタールは今、イランに接近中である。この方針にサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンら近隣諸国は強い懸念を示しており、これまで投資や開発に携わっては相互に発展をとげてきたWin-Winの関係を見直す可能性が出てきたのだ。カタールが発信している中東のメディア「アルジャジーラ」の支局撤退を求めるなど、特にサウジアラビアの反カタール感情は強い。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)