来年の「FIFAワールドカップ」開催に向け、完成が急がれていたブラジル・サンパウロのスタジアムで、建設にあたっていたクレーンが倒れる事故が発生し死者が出ている。
「2014 FIFAワールドカップ(W杯)」の開会式および開幕戦を行う会場となるため、12月の完成を目指し、ブラジル・サンパウロにて急ピッチで建設が進められていた「Itaquerao/Arena Corinthians」。ここで現地の27日昼、建設作業にあたっていたクレーン車が倒れ、少なくとも2名の40代男性作業員の死亡が伝えられている。
こちらの画像は、27日に『ITN』がYouTubeに投稿した動画のスクリーンショット。クレーンの要である接合部分もいちじるしく破損しており、すでに完成に近づいていた屋根や壁をアームが直撃したためその修復工事が必要になるが、この事故の処理と原因の調査に1か月ほどを要するものと見られ、6月の大会開催までの準備スケジュールにずれが生じる可能性もありそうだ。
アリーナの出資者は、サンパウロを本拠地とするサッカーチーム「コリンチャンス」で知られる「スポーツ・クラブ・コリンチャンス・パウリスタ(Sport Club Corinthians Paulista)」。元会長であるアンドレス・サンチェス氏も現場で指揮にあたっていた。クレーン倒壊の瞬間に現場にいたのは作業員1700名の約30名。多くが昼の休憩をとっている最中の事故であったという。
またアリーナの建設を請け負っていたのは、多角経営で成功して以来ブラジルでは業界最大手であるものの、少し前には負債を抱えているとの報道が流れた「Odebrecht SA」社。ちなみにブラジルでは合計12のスタジアムを建設すると意気込んでおり、空港や道路といったインフラ整備にも追われている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)