南米ペルーのあるサーカスで、遠足にやってきた小学生の一行から大きな悲鳴があがった。ライオンが児童の目の前で教師を襲うというアクシデントに見舞われたのだ。
サーカスでも動物園でもスリル満点で見ごたえも十分なのが、猛獣の曲芸への飛び入り参加や餌付けのデモンストレーション。ところが猛獣がそんなゲストを急襲する事故も時おり発生している。南米ペルーのクスコではこのほど、遠足で「モナコ・サーカス」にやってきた小学生の一行が大きな悲鳴に包まれた。
調教師の導きによりライオンの檻に入り、2台の脚立の間に立ってみせた女性教師。最初はのっそりと身を乗り出したライオンであったが、いきなりその動きは早まり、牙をむいて彼女の頸部をめがけ襲いかかった。多数の教え子を含む観衆の目の前で、ライオンの檻の中を何周も引きずり回された教師。ムチを手にライオンを制止しようとする調教師。児童は「先生を助けて!」と一様に悲鳴をあげたという。
やっとライオンから解放された教師はサンセバスチャン地区の病院へと搬送され、治療を受けているが命に別状はないそうだ。サーカスの責任者はこのアクシデントの原因について、「ゲストの頭上を飛び越える芸のはずが失敗してしまった」と説明したが、事態を重く見たペルー農業省は以後サーカスに猛獣を起用すること自体を禁じると発表した。
環境ストレスもなく満腹にしておけば問題は起きないとされるこうした猛獣。だが何かの刺激により一度気が立ってしまえば誰も手を付けられない状態になり、人々は彼らの中に眠っている野生の血を思い知ることになる。餌とムチで調教して曲芸を覚えさせ、しかし何か問題が起きればその動物には容易に殺処分が下る、私たちはこのことも忘れてはならないはずだ。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)