南米発!Breaking News

writer : shiina

【南米発!Breaking News】歌手志望の22歳女が狂言誘拐。CD作成の資金欲しさに、父親に身代金支払いを要求。(ドミニカ共和国)

今月15日、ドミニカ共和国にてバルセロナ出身の22歳の女性が誘拐され、スペインにいる彼女の父親に身代金6000ユーロ(約83万円)を支払うよう連絡が入った。だがあっけなく解決したこの誘拐事件は、歌手志望の彼女がある男と共謀し、身代金を音楽プロダクション設立及びCD作成の資金にするために仕組んだ狂言であったことが判明した。

事の発端は、バルセロナに住む彼女の父親が今月15日にドミニカ共和国から受けた1本の電話である。受話器から聞こえてきたのは娘の泣き声、そして南米訛りのスペイン語で「あんたの娘には命の危険が迫っている」というメッセージであった。

3日後の18日、父親のもとに再び電話がかかってきた。今度のメッセージは、「娘を返して欲しければ6000ユーロを用意しろ」と金額を提示。その後も、同じ人物から何度も電話があった。

父親から通報を受けた警察の捜査により、彼の娘には以前からインターネットで出会い交流を重ねていたドミニカ人男性がいたこと、そして彼に会うために片道切符のみを購入し14日にドミニカ共和国へ渡航していたことが明らかとなった。

だが、この誘拐事件はあっけなく幕を下ろす。国際刑事警察機構(インターポール)から連絡を受けたドミニカ警察は、娘と彼女を“誘拐”した23歳の男の居場所を突き止めた。警察は2人がスペインの父親に電話をかけたことを確認すると、すぐに自宅に踏み込み身柄を拘束。その後の調べで、この誘拐事件は2人が共謀したものであることが判明し、男はドミニカの首都サントドミンゴで、女は拘束後送還されたマドリードの空港にてスペイン警察によって、それぞれ逮捕された。

取り調べに対して女は、「自分には歌手になる夢があり、誘拐されたふりをして父親に身代金を支払わせ、それを資金にして音楽プロダクションを設立し、CDを作成することを考えていた」と供述。なお、この女は強盗及び詐欺の容疑で起訴される予定とのことだ。

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(TechinsightJapan編集部 椎名智深)