このたびニュージーランドの海岸で、サーファーがサメに襲われた。太ももを噛み付かれるも顔面にパンチを食らわせ、ついにはサメを追いやったサーファー。彼が「ジェームズ・ボンドになりきる体験ツアーでの訓練が役に立った」と語り、話題になっている。
ハワイ島で昨年10月、ジェフ・ホートンさんというサーファーが人喰いザメとして知られる“イタチザメ”と果敢に戦い、パンチを食らわせてサメの撃退に成功し、大きな話題となった。彼の場合はボードから振り落とされた場所が幸いにもサメの体の上であったため、幾度もその頭部を拳で殴ると、サメは海中に逃げ去っていったとのことである。
ところがこのたびニュージーランドでは、イギリス人のダレン・ミルズさんという28歳のサーファーが映画『ジョーズ』で有名になった“ホホジロザメ”に襲われたものの、見事にサメを撃退して砂浜に戻った。サメの体長は約3メートル。ニュージーランドの砂浜から沖に向かってたった45メートルというあたりで、水中からいきなり顔を出してミルズさんの太ももに噛み付いたという。
ウェットスーツは10cmほど破れ、歯を立てられた3か所から血を流しながらもサメへのパンチを続け、ついには追い払うことに成功したミルズさん。痛みに耐えながら浜辺に向かって懸命に泳いだ彼のその冷静さと勇気を目撃した誰もが讃えているが、彼自身は「ここまでやれたのは、前日まで行っていたある仕事のお陰だ」と興味深いことを語っている。
実はミルズさん、このたびのニュージーランド入りは、ワカティプ湖に面したクイーズタウンでビデオ撮影の仕事に臨むためであった。それは、“あなたもジェームズ・ボンドになりきってみませんか。007さながらの訓練を体験してみましょう”という、アドベンチャー型日帰り体験ツアーのプロモーションビデオ。ヘリコプターで秘島に向かいボートを繰り出し、スキューバダイビングで海に潜れば待っているのは機械仕掛けのサメ。ショーン・コネリー主演の『007 サンダーボール作戦』を連想させるシーンでは、サメに遭遇するもその動きをじっくりと見極めてやり過ごすことが大事だったという。
「そんな訓練が僕の中に冷静さを植え付けてくれた。だから僕は今こうして生きているのです」とミルズさん。何事も備えあれば憂いなし、肉体も精神も鍛えておくと必ず役に立つ時がくるものである。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)