濁った水から突然その顔を出し、口を大きく開けて獲物を捕らえる獰猛な生き物のワニ。オーストラリアの国立公園でこのほど、ちょっとした水路で遊んでいた12歳の少年がワニに食われて死亡した。
豪・ノーザンテリトリーにある世界遺産のカカドゥ国立公園(Kakadu National Park)で26日に事件は起きた。公園内でも特に美しい自然とダイナミックな景観が評判のイエロー・ウォーター・ビラボンの近くにある水路で12歳の少年が友人とともに水遊びをしていたところ、突然ワニに襲われ命を落としてしまったのだ。
事件を調査したNorthern Command部隊の司令官代理、マイケル・ホワイト氏は地元メディアの取材に「遺族への配慮から、遺体の状況について詳細を述べることはできません」と話している。少年らしき遺体が発見されたのは実はワニの胃の中。ホワイト氏らはその水路に生息しているワニを撃ち殺しては胃を切り開いたが、2匹目のワニの胃に人間の骨が多数見つかり、それが少年のものであるか否か現在DNA鑑定が進められているという。
なお少年と一緒に遊んでいた友人の1人も腕を噛まれており、激しく抵抗してその子は難を逃れたが、ワニはその直後に攻撃の矛先を別の少年に向けたそうだ。国立公園の広報担当者は「あのあたりのワニは最大で7メートル、重さは1トン以上にもなります。そんなワニが出没する危険エリアとして警告の表示板があちこちに立てられており、皆さんには必ずそれに従って頂きたいものです」と話す。なお、オーストラリアで現在生息しているワニの数は7万5000とも10万とも言われている。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)