南アフリカの治安悪化が止まらない。
連日お送りしている悲惨な事件。2010 FIFAワールドカップを来年に控えているにもかかわらず、開催地としての治安は改善されるどころか、聞こえてくるのは恐ろしいニュースばかり。そんななか、南アフリカのジェイコブ・ズマ大統領は、同国における銃規制法を見直す考えがあることを表明した。
南アフリカリンポポ州での野外集会で、ズマ大統領は「悪質な犯罪が多いのは銃が出回りすぎているのも原因の一つ。最終的に国民全員が銃を持つことになろうとも、銃所有に関する法を考え直す必要はある。」と述べた。正当な手続きで銃を持っていたとしても、結局は犯罪などで盗まれたり、警察の銃ですら盗んでいく。結果的に、我々が犯罪をサポートしていることと同じだとズマ大統領は言う。
さらに、犯罪の場面で銃を突きつけられたとき、警察は『臨機応変に行動すること』も呼びかけている。「犯罪者が銃を見せたときは、“脅し”ではなく“撃つ”という意思の表れだと考えている。つまり、警察は命の危険を察知して状況に応じた素早い行動をするべき。」と犯罪の凶暴化を阻止する意向を表明している。そして、危険な状況下で銃を使用することの自由裁量を警察官に委ねるよう、法を改正する考えも示している。
南アフリカ警察署長もまた「警察官は自分の銃をポケットに入れたまま殉職するのではなく、犯罪者を殺すために撃つべきだ。」と賛同している。
犯罪の巣窟とわかっている場所は敢えて避ける警察官もおり、ギャングがそのエリアを仕切っていることもある。警察官の銃の自由裁量が今後市民を守る「吉」とでるか、警察の銃乱用という「凶」とでるかは警察官の倫理によるだろう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)