イスラム系過激派のエキスパートは、南アフリカの情報機関に関して「来年のワールドカップ期間中のテロ対策がなっていない」と述べている。エキスパートのソロモン氏によると、過激派はすでに南アフリカ国内に組織を作っていると警告、さらに、ソマリアのテロリストが国際テロ組織アルカイダ(al-Qaeda)と組んでアメリカの影響力を持つ場所を攻撃する計画を立てているという。
南アフリカのケープタウンにあるタウンシップ「カエリチャ」からソマリア南部を中心に活躍している強硬派イスラム組織アル・シャバブ(Al-Shabaab)が、アメリカが影響力を持つ場所を爆発させる計画について電話で話し合っていたことが発覚。先月南アフリカにあるアメリカ大使館とすべてのアメリカ統治機関がクローズした。これはアメリカ軍がソマリア南部で、アル・シャバブの指導者を殺害したことによる報復と思われる。(このアル・シャバブの指導者は1998年のナイロビなどでのアメリカ大使館爆破に関わっていたと思われる)
インターポールがすでに何度もテロ対策を警告しているにもかかわらず、南アフリカの情報機関は完全に政治寄り。テロリストの可能性をスパイするよりも、マスコミ情報を手にいれることに力を入れているとソロモン氏は嘆いている。
ソロモン氏は、国内の諜報機関のリーダーシップがいかにテロ対策を軽視しているかも指摘。たとえば、数年前にパキスタン政府が防衛軍とアルカイダとの銃撃戦で、2人の南アフリカ人をアルカイダと関わりがあったとして逮捕したが、南アフリカは彼らの帰国後何の措置もとらず釈放した。最近でもウガンダで同様の事件があったが、同じく釈放されている。
南アフリカ国外にいる人は、誰もが南アフリカはテロの脅威にさらされていると知っているが、南アフリカ人は『自分たちとは程遠いこと、自分たちとは関係ない世界』と思っている。ソマリア過激派は、アフガニスタンやパキスタン、ソマリアなどで戦うよりも簡単だという理由で、南アフリカにあるアメリカの影響力のある場所への攻撃を計画しているという情報もある。
ソロモン氏は、アフガニスタン、パキスタン、ソマリアなどの過激派以外にも、ソマリアがすでに反米組織を持っているモザンビークも危険だと指摘する。新たな傍受により、反米組織軍はモザンビークから南アフリカへとそっくりそのまま移動してくるらしいということが明らかになっているようだ。南アフリカ自体がターゲットではないが、過激派とアメリカとの板ばさみになってしまう場合もある。
これらの情報に関して、南アフリカの諜報機関もアメリカ大使館からもコメントはなし。
イスラム系の人も多く、どちらかというと反米だから・・・なんてのんびりと構えている南アフリカは、格好のテロの舞台になるかもしれない。まずは空港での荷物検査強化を徹底してもらいたい。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)