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writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】飼い犬2頭を餓死寸前にした女、生涯ペット飼育を禁じられる(英)

ヴィニーは臓器の機能を失いかけており、あと数日放置されていれば死んでいただろうとアントニーさんに伝えた。また2頭とも瞼が内側に巻き込むことで起こる「眼瞼内反症」を患っていたが、これまで治療がされておらず手術を要した。その後、動物病院で5日間のケアが行われるとヒューゴは3kg、ヴィニーは6kgの体重が増加し、2頭は奇跡的な回復を見せた。

5月15日、ウィラル治安裁判所でゾーイの裁判が行われたが、ゾーイの弁護人から当時の彼女は4人の子を抱えながら認知症の母親の介護をしており、精神的にかなり不安定になっていたことが語られた。生活が困窮し、台所の戸棚や冷凍庫、冷蔵庫には食料が全く入っていない状態で、犬に餌を与えることができなかったばかりかゾーイ自身も食べ物を口にできない日々もあったようだ。

法廷では、以前から抱えていた精神疾患が悪化し、頼りにすべき兄弟らが身近にいなかったこと、それにより孤独に陥っていたことなどゾーイの普段の生活ぶりが明らかとなった。ゾーイは「ペットを苦しませてしまったことを心から恥じ申し訳なく思う。自分では決して犬を飼いたいとは思っていなかったが、子供らにせがまれてNOと言えなかった」と述べたが、実は5年前にも当時飼っていたペットの状態が酷かったことからRSPCAから警告を受けていた。

結果として、不必要にペットに苦難を生じさせた罪2件に加え犬に必要な世話を与えることを怠った罪1件という計3件の動物福祉法に違反した罪を認めたゾーイには、18か月間の執行猶予付き12週の有罪判決および18か月間の保護観察処分、さらに12週間は午後7時~午前7時まで外出禁止令を言い渡されたほか、615ポンド(約92,000円)の裁判所費用の支払いを命じられた。そして金輪際ペットを飼育することを禁じられた。

2頭の痛ましい犬を救助に導いたアントニーさんは、このように話している。

「このような処罰が下って良かったと思っています。周りに助けを求めることができたにもかかわらず、それをしなかったのは彼女の責任です。もし通報がなければ、今頃は2頭の亡骸を発見していたかもしれません。餓死寸前まで追いやったことは許されるべきことではありませんから。ただ嬉しいのは、回復したヴィニーとヒューゴには新しい飼い主が見つかり引き取られていったことです。今度は素敵な家族がいる温かい家庭で、元気に過ごしてほしいですね。」

画像は『Liverpool Echo 2018年5月15日付「Mum left dogs starving and within days of death – but look at them now」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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