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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】水中出産で41億円もの高額訴訟。「医師は正しい認識と判断を」と両親。(米)

何事にもリスクはつきもの、話題の「水中出産」にも残念ながら事故はある。米国ではついに41億円もの損害賠償・慰謝料を求める訴訟が起き、近年白熱していた水中出産は是か非かという議論に一石が投じられた。

海外ではかなり昔から、これによる出産を望む人々が多いといわれている「水中出産」。日本でもモデルの長谷川潤さんや山田優さんがこの方法を選び、今時のセレブな出産方法として話題になったものである。しかし米オレゴン州ではその事故に泣いた両親が、改めて水中出産のリスクについて注意を喚起したいと高額訴訟を決意していた。

水中出産とは、産婦人科に小さなプールが設けられ(自宅出産では大きめのバスタブなら可能)、羊水と同じ濃度の塩分を含む清潔な温水の中で出産するもの。入浴時のようなリラックス感で陣痛を和らげてくれると評判である。ただしその温水がレジオネラ菌や大腸菌などで汚れることは論外であり、ハイリスク出産には適さないと言われている。

そんな中、米オレゴン州マルトノマ郡では、2011年12月に水中出産で誕生したルカ・マリノ君(3)の両親が「レガシー・エマニュエル医療センター」および当時の医療スタッフを相手に、41億円もの損害賠償・慰謝料を求める訴訟を昨年8月に起こした。ルカ君の母親であるエイミー・ベントンさんに重い妊娠合併症があったにもかかわらず、水中出産による経腟分娩が試みられた結果、蘇生措置が遅れてルカ君には脳性麻痺および聴覚障がいが残り、生涯にわたり介護が必要な状態である。

エイミーさんも夫のマシュー・マリノさんも、本来は帝王切開がふさわしい出産であったことや、水中出産のリスクを十分に説明しなかった医療スタッフを強く批判しており、オレゴン州で水中出産を行っているすべての産院、病院が中止を検討すべきだとも主張している。この方法で無事出産となった経験者が「大変良かった」と絶賛する一方で、専門家の中にはリスクを軽視してはならないと訴える者も多く、10年ほど前から是か非かと騒がれていた水中出産。マリノ家が起こした訴訟の行方に大きな注目が集まっている。

※ 画像はoregonlive.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)