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writer : maki

【エンタがビタミン♪】「笑えて泣ける、中居正広」。ドラマ『味いちもんめ』が“名作”と評判。

ドラマスペシャル『味いちもんめ』(テレビ朝日系)が5月11日に放送された。今回は、主演の中居正広と同じSMAPの草なぎ剛が共演するという前評判が盛り上がっていた。そのシーンでの思い切った演出も含めて、視聴者から「伊橋がもう中居くんのまんま」、「中居正広のためのドラマ」といった反響があった。

雑誌に連載されていたグルメ漫画『味いちもんめ』が、テレビドラマ化されたのは1995年のことだ。SMAPの中居正広が初めて主演するドラマとして注目され、第2シリーズまで続く人気作となった。1996年3月21日に連続ドラマが終了した後も、スペシャルドラマが放送され2011年1月8日には13年ぶりに復活した。

今年の5月11日に、その『味いちもんめ』がドラマスペシャルとして2年ぶりに放送された。冒頭から主人公の板前・伊橋悟を演じる中居正広が師匠である花板・熊野信吉(小林稔侍)のものまねをするシーンで始まる。いきなり中居正広ワールド全開で、スペシャルでは回を追うごとに彼のカラーが濃くなっているようだ。

話題となっていた草なぎ剛が登場する場面では、美人女性スリから財布をすられそうになる伊橋を刑事役の草なぎが危機一髪で救う。伊橋(中居)が「ありがとうございます。今度いつ会えますか?」と尋ねると刑事(草なぎ)は「来週のこの時間に!」と答える。次週のドラマスペシャル『スペシャリスト』の番組宣伝をぶち込んできたのだ。

そんなコメディのようなシーンが満載なのに、一気に引き付ける。テレビでも流れて全国が注目する人気料理人・中津川浩(要潤)との“料理対決”では、風邪気味で苦戦する伊橋が追い回し時代から数々の先輩から教えてもらった日々を回想する。若かりし中居の演技がダイジェストで流れる場面は圧巻だ。いつもはお調子者の伊橋の顔つきが変わり、料理人になった彼が一心不乱に料理するシーンは一番の見どころだった。

さらに、伊橋は余命宣告されていた父・栄蔵(北村総一朗)の容態が悪化したことを知りながら、“料理対決”を終えると結果も待たずに病院へ急ぐ。だがすでに息をひきとった父のもとで対決に勝ったことを報告し、「花板になったことを褒めてくれよ」と泣き崩れるのだ。

父親のお通夜では料亭“藤村”のメンバーが料理を担当。伊橋は花板の熊野に「俺にも作らせてください」と申し出る。遺族だから今日は休めと仲間から言われるが、「豆腐田楽を作りたい」と父親が初めて褒めてくれた料理を作るのだ。背中を丸めて涙ながらに田楽を焼く伊橋役の中居正広に涙した視聴者は多かったのではないか。

ツイッターでもやはり中居への反響が大きい。「味いちもんめは名作だな。中居のために用意された作品がいつしか中居の作品になった…」と漫画の原作を離れて“中居正広”の『味いちもんめ』になったとする内容もあるほどだ。伊橋の成長は「中居くんの成長と時間の流れも同じ」と感じるファンもおり、「こんなドラマを今も持ってる俳優いないと思う…本物なんだな、中居さんは」と評価するつぶやきも見受けられた。

他にも「軽くてバカでも熱い男ってやつ! もう中居くんでしかないんですよね」、「この、ただの中居正広感が好きです。味いちもんめ」と、『味いちもんめ』の伊橋は中居そのものだと捉えそうな状況だ。「ふざけてるのかと思えば締めるとこは締める。スゲー強弱! 笑えて泣ける。中居やるね」と彼ならではの演技を絶賛するものもあった。

藤村の大女将役で登場したベテラン女優の樹木希林とのコンビネーションもばっちりだ。ドラマ中では結婚相手に「マツコ・デラックスがいいんじゃない」という大女将に、伊橋が「あれは男ですよ」と教えると、「えっ、男だったのかい?」と驚くシーンがある。実は『中居正広のミになる図書館』で、5月6日に放送された「芸能界 文字が美しい美女No.1決定戦SP」に『味いちもんめ』の宣伝も兼ねて樹木希林が出演していた。

その時、彼女は共演していたはるな愛に「お綺麗よね」と声をかけて、MCの中居から「男ですけど」と言われるひとコマがあったのだ。樹木は「男だったの?」と驚いたのだが、あのやり取りがドラマの台詞だと分かっていたのは2人だけだったというわけだ。ドラマだけでなく番組宣伝でも遊び心満載なのが、なんとも中居らしい。

今回のドラマではラストシーンで伊橋が「『味いちもんめ』映画化決定!…してません」というオチをつけたが、ドラマスペシャルでも映画でも次回作を期待する声は多い。もはや漫画の原作とは独立して歩んでいるドラマ『味いちもんめ』がこれからどういう展開となるかも気になるところだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)