台北市萬華区で路上に駐車してあった車から金銭を盗もうとした男が逮捕された。男は以前にも同じ車を襲い、現金を盗んでいた。味をしめた男が再び忍び込んだところ、車には被害者が乗っており、あえなく逮捕となったわけだが、その被害者がいわゆる「組長」だった。男は警察に「顔を親分に見せないでくれ！」と頼み込んだという。

警察の調べによれば、逮捕された男（24）は今年2月、薬物を買う金欲しさに萬華区の路上にとまっていたベンツから袋に入った現金30万元（約80万円）を盗み出した。車にカギはかかっていなかったという。

今回も同じベンツに狙いを定め犯行に及んだが、ドアを開けると車内にいた男性と目が合い、慌てて逃げ出した。被害にあった男性は、近辺を取り仕切る組の「組長」だった。

男性の通報を受けた警察が防犯カメラを調べ、男はほどなく逮捕された。男は被害者が「組長」だと知るとすぐに罪を認め、後日の仕返しを恐れて親分には自分の顔を見せないでほしいと頼んだという。

萬華区といえば、龍山寺などの観光スポットがあることで有名だが、ドラマ『カルテット』のロケ地にもなったように、夜は一人で歩きたくない場所でもある。そんな街で偶然にも「親分」の車に手を出してしまった男。これに懲りて更生してくれればいいのだが。
（TechinsightJapan編集部 片倉愛）