中国のオーディション番組『中国達人秀』の決勝戦が上海で行われた。中国のオーディション番組で初めて視聴者によるメール投票方式が採用された今回の決勝戦。見事優勝を手にしたのは“両腕のないピアニスト”劉偉（リュウ・ウェイ）さんだった。

8万人の観衆が詰め掛けた決勝戦。劉さんは両足でJames Bluntの『You’re Beautiful』を弾き語り、最後に「少なくとも僕にはまだ、この完璧な両足がある」と、既に名文句となっている言葉を残すと、会場は感動に包まれた。

23歳の劉さんは、こどもの頃誤って高圧線に触れてしまい両腕を失ったという。一度は絶望の淵に立たされたものの、そこから這い上がり、足でご飯を食べ、服を着、字を書き、パソコンを使う練習をした。19歳で始めたピアノは、当初重心が落ち着かず、何度も椅子から落ちてケガをしたという。それでも劉さんはピアノに向かい続けた。劉さんはこう言う。「僕の前には2つの道しかない。死に急ぐか、素晴らしく生きるか」

劉さんはこの後、ラスベガスで3ヶ月の公演をするほか、ゲスト出演した台湾人アーティストの蔡依林（ジョリン・ツァイ）の世界ツアーにゲストとして招かれる予定だ。
（TechinsightJapan編集部 片倉愛）