記者の場合、コクボといえば福岡ソフトバンクホークスの小久保裕紀選手がまず思い浮かぶ。ところがこの冬に限ってはそうでは無かった。少なくともバンクーバー五輪の時期はスノーボードの國母和宏選手の名が一番に出てきたのである。
國母和宏といえばバンクーバー冬季五輪でスノーボードハーフパイプ男子に出場した選手だ。五輪選手団が日本を発つときに制服のズボンを腰ばきして、ネクタイをゆるめた姿がふさわしくないと問題になった。
さらには記者会見でその件に関して質問されると「ちっうるせえな…」とつぶやきながらマイクに近づき「反省してま~す」と答えたのである。これで一気に世論に火がつき賛否が飛び交った。
だが、競技が始まると彼は想像以上の迫力ある演技を見せた。最後に転倒したものの8位に入賞したのである。その経過は賛否あるだろうがスノーボードをここまで日本国民に知らしめた人物がいただろうか。それだけでも國母選手の功績は大きいだろう。
この國母和宏選手はここまで話題となりながらテレビに出演したことがないのだ。しかしシーズンオフでもあるのか8月29日放送の「アッコにおまかせ!」に生出演したのである。
番組内容によると國母選手は五輪後に世界大会『US OPEN・ハーフパイプ』で日本人として初優勝しており、この8月には奥さんとの披露宴も行っている。なかなか賑やかな日々を過ごしているのだ。
和田アキ子(アッコ)が早速、腰パン問題について「あれだけ騒がれてどう感じたのか?」とズバリ聞いた。彼はいつもどおりの笑みを浮かべながら「全然気にしてなかったです」と答えた。
またアッコが「ちっうるせえな」というのはいくらなんでもイカンだろうと追及すると「自然に出ちゃったんです」と答え、彼はその理由を話したのである。「『早く滑らしてくれよ』という気持ちから出た」と言うのだ。
“テレビに出るために来た訳じゃなくて競技しに来たのだから早く滑らせて欲しい”そんな気持ちがついあの言葉となったのである。これにはアッコも理解を示して頷いていた。
また、以前番組で彼の友達にインタビューしたところ「普段からほんとにいいやつだ」という結果が出たことがある。それも踏まえて「自分で長所と短所はどこだと思うか?」と尋ねたのだ。
彼の答えはこうだ。「長所や短所は、その時によってどっちも変わりますね」となかなか意味が深そうな答えである。
具体的にどういうことなのかとアッコが尋ねると、例えば「自分で思っているところを曲げない」という姿勢は時には長所ともなるが、ある時は短所となることもあるという國母選手。
ありきたりな答えでなく、実に内容がある、しかも本音を語る國母選手に共演者も感心していた。アッコも「自分をしっかりもってるんですね」と敬語になっていたほどだ。
そして彼の服装をもう一度見直して、それも自分の表れかと「日曜のお昼のテレビ番組にTシャツとサンダルではなかなか出てこないよ」と指摘した。
テレビ初出演の國母選手の服装は白いタンクトップに膝までのズボン、そしてサンダルというものだったのだ。
勝俣州和が「だから、これが長所と短所でしょ」と苦しいフォローをいれてはぐらかしていた。
この他にも趣味は犬と遊ぶことで「何も考えずに自分のしたいことする」のが主義だと話す彼にアッコがなぜこの番組に出ようと思ったのかを尋ねた。すると彼は「面白そうだから」と答えた。さらに出演した感想を聞かれると「(テレビで見る)そのまんまですね、しゃべりやすいですね」と話したのだ。アッコも彼の受け答えにかなり興味をもったようで、準レギュラーにどうかなどと冗談を飛ばしてごきげんだった。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)