自身も3頭の犬を飼っているブレイディさんは「これ以上怖がらせないように」と、その犬のそばに寄り添った。そして落ち着くのを待ってリードを付け、車で動物の救急病院へと急いだのだった。
北米のヤマアラシの針毛の表面には鱗状の“返し”があり、一度刺さると抜けにくい一方通行の構造で、放置すると深く刺さって感染症を引き起こす。犬がヤマアラシに襲われるのは決して珍しいことではなく、針毛が刺さったら一刻も早い処置が必要で、獣医が麻酔や鎮静剤を使用して取り除くのが望ましいという。
そのためトゥルーパーを診察した獣医は緊急手術を行い、顔に刺さった全ての針毛を抜くことに成功した。顔は腫れ、少しばかりの傷は残ったものの、翌日にはブレイディさんが引き取っており、回復は早かったという。
さらにブレイディさんはその後、トゥルーパーを養子縁組支援を行う地元の動物シェルター「ウィニペグ動物愛護協会(Winnipeg Humane Society)」に連れていき、その数日後には養子縁組のイベントへと連れ出した。そしてInstagramでもこれまでの経過を伝え、約2週間後には新しい家族が見つかった。
ブレイディさんがトゥルーパーの救出劇を記したInstagramには、次のようなコメントが寄せられている。
「トゥルーパーを助けて、獣医のもとに連れて行ってくれてありがとう。」
「トゥルーパーはとても美しい犬。新しい家族が見つかって本当に良かったわ。」
「ヤマアラシに襲われたトゥルーパーは、飼い主に置き去りにされたのかしら? そうだとしたら心が痛むよ。」
「でもハッピーエンディングで良かった!」
「ブレイディさんは真のヒーローだね。」
「ヤマアラシは自分を守るために針毛で襲うからね。この犬はきっと、何かしたに違いない。これが教訓となるといいね。」
「目や口の中に刺さらなかったのは不幸中の幸いだよ。」
「まるで裁縫用の針差しのよう。あれだけ針毛が刺さったらかなりの痛みだっただろう。」
なおテックインサイト編集部では、トゥルーパーの現在の様子について、ウィニペグ動物愛護協会とブレイディさんに質問を投げかけている。
ちなみにトゥルーパーは幸運にも助かったが、2022年には米ニュージャージー州で、外遊びが大好きなオスの飼い犬が庭にいたヤマアラシに襲われて亡くなっていた。飼い犬は針が心臓にまで達していたという。
画像は『Brady Oliveira Instagram「Who doesn’t love a good transformation!??」』『New York Post 「Poor New Jersey pooch dies after fight with porcupine」(Miranda DeGennaro/Facebook)』『The Daily Star 「Dog named ‘Thor’ left with hundreds of spikes in his face after fight with porcupine」(Image: Newsflash)』『Coos County Sheriff’s Office Facebook』『HCA Barbieri News 「A VERY prickly customer! Leopard left with quills sticking out of its paws after hunting porcupine」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)