シドニーオリンピック開催中の2000年だった。

当時28歳だったメアリーさんは、シドニーにあるバー「Slip Inn（スリップ・イン）」で友人達との飲み会に参加した。

そのグループには、フレデリック皇太子と弟のヨアキム王子、いとこでギリシャとデンマークの二コラオス王子、ノルウェーのマッタ・ルイーセ王女、現在のスペイン国王フェリペ6世などがいた。

この時、メアリーさんはフレデリック皇太子がデンマーク王室メンバーであることを知らなかったという。

メアリーさんを含む女性達は男性の胸毛について議論し始めると、その後フレデリック皇太子とニコラオス王子の胸毛に触らせてもらったそうだ。

メアリーさんは2003年に豪TV番組『60 Minutes』にゲスト出演した際、フレデリック皇太子と出会った頃についてこのように振り返った。

「初めて会った時に握手をしたけど、彼がデンマークの皇太子だとは知りませんでした。1時間後に誰かがやって来て『この人達が誰か知っている？』と尋ねたんです。」

そして「私達は、話し始めた最初の瞬間から会話が止まりませんでした」と意気投合したことを語り、のちに遠距離恋愛を始めたことを明かした。

「距離の関係から、すべては言葉を通じてでした。私達は本当に強い関係を築くことができたのです。」

その後、2人は親交を深め、フレデリック皇太子はお忍びでオーストラリアを何度も訪れるようになった。2001年には、デンマークの大衆誌『Billed Bladet』が2人の交際を報じた。

2002年にはメアリーさんがデンマークに拠点を移し、デンマーク語の勉強を始めるとともに、現地のマイクロソフト社に就職した。

2人は2003年10月8日に婚約し、2004年5月14日にコペンハーゲン大聖堂でロイヤル・ウェディングを執り行った。

当時、オーストラリアのメディアはメアリーさんのシンデレラストーリーを大きく取り上げ、結婚式も生中継された。時差により放送は夜中になったが、100万人以上の視聴者が見守ったという。

2人が出会った「スリップ・イン」でも挙式の様子が上映され、デンマークのパスポートを持つ客には、同国発のビール「カールスバーグ」を無料で提供するほどの熱狂ぶりだった。

2人は結婚後、長男クリスチャン王子（18）と長女イザベラ王女（16）、双子のヴィンセント王子とヨセフィーネ王女（ともに12）という4人の子どもをもうけた。

王室入り後、メアリー皇太子妃は女性やLGBTQ+の権利など、さまざまな人道的活動に取り組んでいる。

画像は『DET DANSKE KONGEHUS　2023年3月29日付Instagram「Dansk design er omdrejningspunktet, når Hendes Kongelige Højhed Kronprinsessen den 17.」、2023年9月27日付Instagram「Kuppelsalen på Fredensborg Slot var i aftes centrum for et festligt taffel」、2023年10月15日付Instagram「Før dagens balkonfejring på Amalienborg blev den kongelige familie fotograferet i anledning af Hans Kongelige Højhed Prins Christians 18-års fødselsdag.」、2023年10月17日付Instagram「Som et evigt minde om en helt særlig dag blev Kronprinsfamilien på Hans Kongelige Højhed Prins Christians 18-års fødselsdag fotograferet til en række gallaportrætter.」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　寺前郁美）