エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】ジャニーズ会見「NGリスト」に見る“遺伝子レベル”に棲みついた悪しき慣習

いくつかヤマ場があった。自身も長年のジャニーズファンだという女性ライターが「ジュニアの成長をファンが支える“応援システム”」を踏まえて「ジャニー喜多川さんが気に入った人が全員デビューしているわけではない」、「マスコミが推測だけで『ファンも性加害を容認しているのではないか』などと書くのはいじめではないか」とファンの思いを代弁したことは貴重と言えるだろう。

また、実話誌記者が「ジャニーズ事務所はマスコミ的に怖い事務所と言われている」と切り出して「退所したタレントに圧力をかけて干す」という噂に言及した。これには東山が「圧力などかけない。むしろ応援したいと思っている」と答えれば、井ノ原は「もし圧力をかけるようなことがあったら、どんどん言って欲しい。厳しい目で見てほしい」と実話誌に依頼した。

そして、最後に指名された女性記者による質問は「ジャニー喜多川氏による性加害行為は、少年たちを奴隷化するための手法だったような印象を受けた。それがタレント支配力の源泉になっていたのではないか。事務所側は黙認というより、必要不可欠な手法として利用したのではないか」という核心を突くものだった。東山、井ノ原とも若かった当時を振り返り「触れてはならない。立ち入ってはいけない感じだった」、「絶対的な支配の中にいたと思う。得体の知れない空気感を知っている」と答えるにとどまった。
 
もし、ジャニー喜多川の性加害問題と事務所の関係について追究するこの質問が会見の序盤や中盤で出ていたら、もっと紛糾したであろうことは想像に難くない。

会見の中で井ノ原が読み上げた藤島ジュリー景子氏の手紙には、ジャニーズ事務所はジャニー喜多川氏だけでなく「私の母であるメリーも権力を握っていた」と吐露されていた。ジャニー氏でさえメリー氏にお小遣いをもらう立場だったという。そうしたメリー氏による権力のもと、ジャニーズ事務所のタレントや社員は言いたいことを言えずに過ごしてきたのだろう。さらにマスコミにまでその権力が及んだわけである。

新社名「SMILE-UP.」として再スタートするにあたり、タレントや社員そして業界にまで“遺伝子レベル”に根付いた悪しき慣習を根絶させることは可能なのか。悪は一度断罪され、その後の行動を世間から注視されるようになれば、次は地下に潜る。そして人知れず繁殖を続けるのだ。

画像は『Google Earth (C)2023 Google』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

1 2