8月11日放送の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)に“トニセン”こと20th Centuryがゲスト出演した時のことだ。井ノ原快彦は社長としてジャニーズJr.の名前を200名全員覚えていると明かして驚かせた。長野博は井ノ原がタレントとして仕事している合間に、いつも携帯で返信しているのを見て「本当に大変だな」と舌を巻いた。井ノ原によると、ジャニーズJr.で高校生になったばかりの子から「髪染めたいんですけど?」と相談されて「高校のイメージ的によくないんじゃないの」と言い聞かせたという。直接相談できる関係からも、井ノ原体制の風通しの良さが垣間見える。
そんな井ノ原快彦は、『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系)でMCを務めている。8月26日の放送でアシスタントの片渕茜アナウンサーが「ダンスをやっていた」と話したところ、「踊れるんだ」と食いついた井ノ原。「ジャニーズは今のところ女子いないから、女子部門…」とほのめかして、ゲスト出演していた後輩の浮所飛貴(ジャニーズJr.内のグループ・美 少年)を「社長、社長」、「飛びぬけた発言しすぎです!」と慌てさせた。井ノ原は「今までやってないこと、何かないかな」といつも考えていることを明かして笑っていたが、ジャニーズ事務所にもかつては複数の女性タレントが所属していた。「ジャニーズ女子部発足」を発想したセンスも、次期社長に必要な資質の一つかもしれない。だがしかし、ジャニーズ事務所の社長としてその務めを果たせるのは井ノ原しかいない、と言えるただ一つの理由は別にある。
テレビ東京公式ホームページで9月14日に配信した「ジャニーズ事務所への申し入れ」の中で、「同族会社からの脱皮や経営の透明性向上などにより経営ガバナンスの強化を明確に進めるとともに、ジャニー喜多川元社長による性被害者への補償を早期に実現するよう求めました」としたうえで、「既存番組の出演者など契約済みのタレント起用を除き、10月の新体制発足で具体的な成果を得られたと確認できるまでは、ジャニーズ事務所への新規の出演依頼は極めて慎重に判断する方針です」と説明した。
件の9月7日の会見に話を戻そう。人が発する言葉には、時にその人の真の姿が残酷なほど明確に現れる。会見場で東山は、自身も性加害の当事者ではないかと記者から問われた際、「(性加害は)したことがない」と2回断言している(のちに「覚えていないことが多い、している可能性ある」と発言を修正)。これに対し、井ノ原は「僕は性加害はしません」と答えている。
「したことがない」
「僕はしません」
この二つの言葉の違いはあまりに大きい。本人曰く「若気の至り」とはいえ、東山は自身の持つ「欲」に勝つことができなかった。それに対し、井ノ原は人間の誰しもが持つ己の「欲」と「弱さ」が引き起こす「業」の存在を認めた上で、自分は「欲」に負けることを「しません」と宣言しているのだ。
己の持つ「欲」の存在とそれに負けることによって引き起こされる惨劇を想像すらできなかった人間たちによって、ジャニーズ事務所の「鬼畜の所業」は繰り返されてきた。
「欲」に負けた人間、「欲」とは誰しもが持つものと認めた上でそれに負けまいとする人間。両者の真の姿を垣間見た時、そう遠くない未来、いつか名を失うかもしれないジャニーズ事務所の膿を出し切り、舵を取っていける人間は井ノ原快彦だと考えざるを得ないのだ。
画像は『Google Earth (C)2023 Google』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)