自閉スペクトラム症(ASD)で会話が成立しなかった男児(6)が初めて、母の「グッドモーニング(おはよう)」の呼びかけに答えた。母が「幸せが溢れ出した瞬間」と語る当時の映像は、豪ネットメディア『Kidspot』などが伝えて拡散し、人々の心を揺さぶっている。
アメリカに住む4児の母、クリスティさん(Cristy)が先月29日、TikTokに息子カイくん(Kai、6)とのやりとりを捉えた動画を投稿したところ、大きな反響を呼んだ。
動画では、居間に座るカイ君に目線を合わせ、クリスティさんが「グッドモーニング」と話しかけると、カイ君が「グッドモーニング」と返しているのが見て取れる。
するとクリスティさんは、息子から反応があったことにひどく驚いたようで、右手を胸に当て、口を開けたままカイ君を見つめている。
一方のカイ君はというと、顔をさらに近づけて再び「グッドモーニング!」と挨拶。感極まったクリスティさんは「グッドモーニング」と返すものの声にならない。
カイ君はその後、嬉しそうにスキップしてその場を去ってしまうが、クリスティさんは改めて息子に「グッドモーニング」と声をかけ、感慨に浸っているようであった。
クリスティさんによると、カイ君は自閉スペクトラム症(ASD)で、もうすぐ7歳の誕生日を迎えるものの会話が成立したことがなかったという。
「歌も歌うし、私たちには分からない言葉も話すの。でも『グッドモーニング』と言って返ってきたのはあれが初めてだったのよ」と明かすクリスティさん。この時のことがよほど嬉しかったのだろう。当時の動画には「母の幸せが溢れ出す瞬間」と言葉を添え、次のように説明した。
「私は通常、あんな反応はしないようにしているの。なぜなら息子が『できる』ということを知っているから。それに過剰に褒めたりもしないようにしているわ。だけど私はこの6年間ずっと、あの子に『グッドモーニング』と語りかけてきた。そしてこう伝えてきたの。『あなたはいつかきっと、私にグッドモーニングと言ってくれるわよね』とね…。」
来る日も来る日も「今日こそは!」と、その日を待ち続けたであろうクリスティさん。その願いが叶った瞬間を捉えた動画には、