飼い主が亡くなったことを知らないまま10日間、病院の前で帰りを待ち続けた小さな犬がいる。犬は飼い主が搬送された緊急救命室のドアをじっと見つめていたそうで、健気な姿に多くの人が心震わせた。動物専門ニュースサイト『The Dodo』が伝えた。
米カリフォルニア州コンプトンのマーティン・ルーサー・キング・ジュニア病院に8月中旬、病院の近くに住む男性が緊急搬送され、救急治療室に運ばれた。
そしてそんな男性を追うようにやって来たのが、のちに“ヒラリー(Hilary、1)”と名付けられたメス犬で、容体が優れない男性と一緒に中へ入ろうしたという。
犬の保護団体「ローガンズ・レガシー・ドッグ・レスキュー(Logan’s Legacy dog rescue)」の創設者シュゼット・ホールさん(Suzette Hall)は、当時のヒラリーについてこのように語った。
「男性は病院の近くに住んでいて、病院の警備員はヒラリーが救急車を追ってくるのを見ていたようです。そうして緊急治療室に入ろうとしたヒラリーは警備員に止められ、飼い主が現れるのをずっと待ち続けたのです。」
「ヒラリーは扉が開くたび、『飼い主ではないか』と確認していたようですが、待っていた男性が出てくることはありませんでした。」
飼い主の男性は亡くなってしまったそうで、病院のスタッフはヒラリーに餌を与え、なんとか保護しようと試みた。ところがヒラリーは人を寄せ付けず、緊急救命室のそばで飼い主をじっと待ち続けたという。
ところがそれから10日後のこと。カリフォルニア州には熱帯暴風雨警報が発令され、