
ヒラリーの衰弱し始めた体に強い雨が降り注いだ。
そうして呼ばれたのがシュゼットさんで、病院の近くに温かい餌を仕掛け、ヒラリーを保護することに成功したのだった。
実はヒラリーという名前は、カリフォルニア州に大雨をもたらした熱帯暴風雨「ヒラリー」からとったものだそうで、シュゼットさんは「ヒラリーは雨の中で眠り、飼い主を待ち続けたのです。本当に忠誠心の強い犬ですよ」と述べ、こう続けた。
「ヒラリーを保護した後、私は何度もギュッと抱きしめました。でも悲しいことに、ヒラリーは緊急救命室のドアをまっすぐに見つめていたのです。それはまるで『もうすぐ、大好きな飼い主が出てくるから…』と言っているようで、胸が締めつけられる思いでした。ヒラリーはきっと、飼い主を忘れることができなかったのでしょうね。」
幸いなことにヒラリーはその後、カミノ・ペット病院(Camino Pet Hospital)のケアのもと少しずつ回復。シュゼットさんは日本時間の9月2日、Facebookで次のように報告した。
「ヒラリーは今日、一時的に預かってくれるママのところに行きました。ローラ・イングルさん(Laura Engel)ありがとう…。ヒラリー、あなたの折れた心はきっと癒されることでしょう。大好きよ!」
そしてシュゼットさんのFacebookには、「心が痛む」「保護してくれてありがとう」「ヒラリーの瞳には悲しさを感じてしまう。幸せになって欲しい」「ぜひ引き取りたい」「たくさんハグしてあげて!」「きっと亡くなった飼い主が見守ってくれているよ」といったコメントが多数寄せられた。
ちなみに忠犬ハチ公のように、他界した飼い主を待ち続ける犬は世界中から報告されており、中国では2020年、入院後5日で亡くなった飼い主を病院内で3か月も待ち続けた犬が話題になった。
画像は『The Dodo 2023年9月1日付「Loyal Dog Stares At Emergency Room Entrance For 10 Days, Hoping To See Her Human Again」(SUZETTE HALL)』『Suzette Hall 2023年9月2日付Facebook「Sweet Hilary」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)