ヘンリー王子は、英タブロイド紙による盗聴疑惑をめぐり新聞の発行元「Mirror Group Newspapers(以下、MGN)」を訴えていたが、その裁判が最終日を迎えた。当日に公開された文書では、王子側が裁判に勝訴した場合、MGNに対して最大で44万ポンド(約8070万円)の損害賠償金を要求する意向であることが明らかになった。
ヘンリー王子は、英タブロイド紙『Daily Mirror』『Sunday Mirror』『Sunday People』などの記者達が電話盗聴や欺瞞、私立探偵の利用など違法な手段で情報収集をしたとして、複数の著名人とともに新聞の発行元「Mirror Group Newspapers(以下、MGN)」を提訴している。
裁判は現地時間5月10日にロンドンの高等裁判所で開始され、現地時間6月6日にはヘンリー王子が出廷して自ら証言台に立った。
法廷では、王子が提出した55ページにも及ぶ陳述書が公開されていた。文書では、自身の私生活がタブロイド紙によってさらされた結果、家族や友人が信用できなくなったという被害妄想に満ちた生活の詳細が記されており、その中には『Daily Mirror』の元編集長ピアース・モーガンを猛批判する記述も含まれていた。
さらに王子は、MGNの勅選弁護士アンドリュー・グリーン氏からの反対尋問に答えた際、「何人かの編集者や記者は、多くの苦痛や動揺を与えたり、場合によっては死をもたらした責任がある」と述べていた。
ヘンリー王子は翌7日にも証言台に立ち、再びグリーン氏からの反対尋問を受けた。長時間にわたる厳しい反対尋問が終わると、王子は涙をこらえるような表情を見せ「大変だった」と答えている。
この日以降、王子は出廷しなかったが、その後も裁判は続けられ、現地時間6月30日に最終日を迎えた。
同日には王子の弁護団による新たな法的文書が公開され、