イタリア北部ヴェローナで5月末、61歳の男が年金の不正受給の疑いで逮捕された。男は生きていれば86歳になる母親の遺体と約6年間一緒に暮らし、近所の人には「母は母国ドイツに引っ越した」などと嘘をつき、約2700万円の年金を受け取っていたという。ヴェローナのニュースメディア『L’Arena』などが伝えた。
イタリア、ヴェネト州ヴェローナにあるアパートの一室で5月25日、ミイラ化したヘルガ・マリア・ヘンバルトさん(Helga Maria Hengbarth)の遺体が発見された。
ヘルガさんがかかりつけ医の診察を最後に受けたのは2017年のことで、その後は保険証を使った記録がないばかりか、連絡が一切つかなくなったという。またコロナ禍も病気一つせず、年金だけを受給しており、不審に思った警察が5月25日、家宅捜査を行ったのだった。
ヘルガさんと同居していたはずの息子ベルナルド・ロッシ(Bernardo Rossi、61)は当時不在で、警察は消防隊と協力してアパートに立ち入り、ベッドの上に置かれた遺体袋に気付いた。そして袋のチャックを開けたところ、腐敗が進みミイラ化したヘルガさんの遺体を発見した。
一方で警察が家宅捜査を行ったことを知ったベルナルドはその日、自宅に戻らずホテルに身を潜めた。そして自殺未遂を図り、その後自ら警察に通報して病院に搬送されていた。
ベルナルドは軽傷で命に別状はなかったものの、