アメリカで質素な生活をする65歳の女性が、通勤帰りの道端で現金が入ったポリ袋を発見した。女性は袋を開けることなく、そのまま警察に届け出たという。のちに女性の善行に感動したある人物が、彼女が徒歩で1時間かけて職場に通っていることを知ると、車の購入資金のための募金活動が行われた。すると8万2675ドル(約1086万円)もの寄付が集まったそうだ。米メディア『The Washington Post』などが伝えている。
1月21日午後5時半頃、米ミシガン州ホワイト・レイク・タウンシップ在住のダイアン・ゴードンさん(Dianne Gordon、65)は普段通りに勤務先から自宅へ向かっていた。その途中、ガソリンスタンドで軽食をとることにしたが、店内に入ろうとしてドアの下を見たところ現金が入ったジッパー付きポリ袋を発見した。袋を手に取ってひっくり返してみると、たくさんの紙幣が入っていることに気付いたという。
その現金に「自分の人生を変えてしまうほどの金額」とダイアンさんは思ったが、それを開けるのは控えたそうだ。彼女は当時の心境について「袋にお金が入っているのが見えましたが、それは私のものではありません。そして次にしなければならないことは分かっていましたから」と振り返っている。
ダイアンさんは、現金の入った袋を両手で握りしめてガソリンスタンドに入り、すぐに警察を呼んだ。そして到着した警察官に現金の入った袋を渡したが、それから2時間もしないうちに現金の持ち主が判明した。袋の中の現金は1万4780ドルもあり、その袋にあったウェディングカードから落とし主はその日に結婚した若いカップルだったことが明らかになった。
今回の出来事について、ホワイト・レイク・タウンシップ警察のダン・ケラー署長(Dan Keller)は次のように語っている。
「新婚カップルは、ダイアンさんの誠実な態度に対し、感謝の気持ちでいっぱいでした。ダイアンさんは(大金の入った袋を前にして)ためらいもなく、疑問さえも抱かなかったほどです。大金を発見して警察に届け出るというケースは、めったにないことですから。」
そんなダイアンさんだが、決して裕福な生活を送っているわけではなかった。ひとり暮らしの彼女は、