
米メディア『Deadline』は現地時間17日、Netflixは同シリーズの配信開始を2023年に延期すると決定したことを伝えた。
『Deadline』によると、延期の理由は11月に配信する『ザ・クラウン』シーズン5に対する批判を受けてのことだという。
同ドラマのエピソードでは、当時の英首相ジョン・メージャー氏がチャールズ皇太子(当時)に呼び出され、母エリザベス女王を退位させるために首相の支持を要請するというフィクションの場面があるそうだ。
これを受けメージャー氏の広報担当者は現地時間15日、「有害で悪意に満ちたフィクションに過ぎない。すべて虚無であり、劇的なインパクトを与えるためのナンセンスを詰め込んでいる」と強く批判。チャールズ国王の友人らは、番組のボイコットを呼びかけていた。
同メディアの情報筋は「こういった動きがNetflixを震撼させたのです。彼らはすぐに反応し、ドキュメンタリーの延期を決定しました」と言い、番組に対する批判が決定打になったことを明かしたのだ。
『Deadline』の報道から数時間後、米メディア『Page Six』はある有力な業界関係者が「私が知る限り、このドキュメンタリーは今年後半に配信する予定で進められています」と語ったと伝え、来年に延期するという話題を否定したのである。
『ザ・クラウン』シーズン5は、1991年から1997年の間に起こった事実を基にフィクションを交えたストーリー展開だ。ドミニク・ウェスト演じるチャールズ皇太子(当時)がダイアナ妃と激しい口論する場面や、愛人関係にあったカミラ夫人(当時)とのロマンスなどが描かれているという。
この他にも、女王の夫で故エディンバラ公フィリップ王配の不倫シーンがあることが明らかになっている。女王の崩御後まもなくこのような内容を配信することについて、王室関係者は「悪質極まりない」と猛批判していた。
さらに番組の上層部は、ダイアナ妃がパリで事故死した日のことを描く計画をしているようで、制作スタッフは「一線を越えた」とそのような場面の撮影に猛反対したことを明かしたばかりだった。
画像は『The Royal Family 2019年7月15日付Instagram「The Duke & Duchess of Sussex have attended the European Premiere of The Lion King film.」』『The Crown 2022年10月17日付Instagram「A house divided.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)