病院には向かわずに自宅で出産することを決意したエイリッシュさんは午後10時8分、トムさんの介助により体重7ポンド9オンス(3430グラム)のパーシー君が誕生した。
混乱のなかエイリッシュさんは生まれたばかりのパーシー君の呼吸の確認と気道確保を行い、トムさんは母体に大量出血がないことを確認したという。
そして約10分後に救急隊員が到着し、母子はヒンチングブルック病院(Hinchingbrooke Hospital)に搬送された。
エイリッシュさんは今回の経験について、のちにFacebookにこう綴っている。
「救急隊に連絡しましたが、結局自宅で出産することになりました。これまでの人生で病気をしたことのない私は一体どうしたらいいんだとパニックになったし、こんなにも気分が悪くなったことはありません。あの瞬間は悪夢でした。でもトムは私の助産師となって助けてくれました。支えてくれた他の家族にも感謝しています。」
一方のトムさんは「エイリッシュはたった2錠の鎮痛剤を飲んだだけで出産に挑みました。これは本当にすごいことです。でも今回のような事態に対応してもらえなかったことは非常に残念です」と病院を非難した。
これを受け、ピーターバラ市立病院を運営している「ノースウエストアングリアNHS財団トラスト(North West Anglia NHS Foundation Trust)」は予定通りの出産ができなかったことを謝罪し、ジョー・ベニス看護師長(Jo Bennis)は「赤ちゃんとご両親の安全は私たちにとって最優先事項です。そして当院が定員に達した場合、お母さんたちに別の産科病院に行くようにお願いしなければならないこともあります」と述べた。
ちなみに今回のニュースには、「自宅で出産するなんて不安だったことでしょう。母子ともに無事でよかった」「連絡を待たずに病院に行けばよかったのに。今にも出産しそうな妊婦を追い返すことはしないだろう」「病院に向かう途中で生まれるよりも、自宅にいる方が安全だと思います。無事に出産できてよかったですね」などといった声があがっている。
画像は『BBC News 2022年10月6日付「Northamptonshire mum describes home birth after Peterborough hospital full」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)