エンタがビタミン

writer : sekihara

【エンタがビタミン♪】THE ALFEE、3年ぶりに夏のライブ復活 『星空のディスタンス』から38年「歌い続けているから色褪せない」

坂崎がギターを持たずにハンドマイクで歌う『Funky Cat』、高見沢がヘッドマイクで振り付きで歌う『D.D.D!~Happy 65th Anniversary for Donald Duck~』、アコースティックギター2本でハーモニーを聴かせる『明日なき暴走の果てに』とスタイルも自由自在。ライブには欠かせない『SWEAT&TEARS』で3人並んでのヘッドバンギングも健在だ。

またラブソングのバラード『あなたに贈る愛の歌』や圧巻の大作『組曲: 時の方舟』、胸に迫りくる楽曲『明日の鐘』など曲をしっかりと聴かせる一方で、サービス精神旺盛な彼らは花道をランウェイに見立ててファッションショー風にメンバー紹介したり、アンコールでは桜井賢(67)が出身地・埼玉県秩父の民謡『秩父音頭』を歌ったり、3人がはっぴを着て「はっぴぃお祭り三兄弟」となって昭和ムード歌謡を楽しんだり。高見沢がMCで「48年間、“好き”という気持ちが常に先にきていた。ライブが好き。ギターが好き。ハモるのが好き」「とにかく3人で歌うことが学生のときから好きだった。“好き”が乗じて48年」と語ったが、彼らが全力で楽しむ姿をファンも楽しんでいるようだ。

中盤には代表曲『星空のディスタンス』のサビを、マイクを通さずにアカペラで披露したTHE ALFEE。3人の生の歌声が伸びやかに会場に響き渡り、それを観客はダイレクトに自分の耳で受け取る。その場にいなければ味わえない、まさにライブの醍醐味だ。この曲を演奏し終えて客席いっぱいの青い光に「綺麗だね」と感じ入った高見沢は「これは1984年のシングルです。今から38年前。この楽曲は現役で僕らが歌い続けているからこそ色褪せない」と毎回ライブで歌い続けている同曲について語った。そして「個人的な感想」と前置きしてから「バンドの矜持というのは少しでも長くやること」と述べたが、この高見沢の言葉にTHE ALFEEそのものが表れているようだ。

会場のファンにメッセージを送る高見沢俊彦(C)上飯坂一

この日、最後の楽曲は『ROCKDOM -風に吹かれて-』。この楽曲は1986年夏に当時「東京湾13号埋立地」と呼ばれたお台場でのライブ『TOKYO BAY-AREA』にて、この日のために作られた楽曲として最後に演奏された。約10万人の観客は初めて聴く楽曲にもかかわらず、ラストのフレーズ「俺達の時代を忘れないで 風に吹かれていたあの頃を」と大合唱した。しかし今回は観客はマスクをつけていて声を出せない。それでも客席を埋め尽くした大勢のファンの歌声をメンバー3人は感じ取っていたに違いない。

「来年は結成50周年です! まだまだアルフィーにゴールは見えない」と意気込むTHE ALFEEは、10月6日に埼玉・越谷を皮切りに全国21公演の秋の全国ホールツアー『THE ALFEE 2022 Autumn Tour Genesis of New World 秋の天地創造』を開催。そして12月には『THE ALFEE 2022 Winter Genesis of New World Final 冬の天地創造』として恒例の日本武道館および大阪城ホールでのライブを予定している。また10月5日には71枚目のニューシングルの発売も決定した。シングルとしては久しぶりにTHE ALFEEらしいハードな楽曲とのこと。真骨頂のライブという場所を取り戻したTHE ALFEE、ますます精力的な姿が期待できそうだ。

写真撮影:上飯坂一 7月30日に撮影
(TechinsightJapan編集部 取材・文:関原りあん)

美しい照明のなかで、美しいハーモニーを聴かせるTHE ALFEE(C)上飯坂一

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