カレンさんは「午後から釣りに行こうと思っていましたが、カンガルーに襲われてしまうかもしれないのでやめました。彼らはとても素早いのでどこにいるのか分からないのです」と話しており、自由に外出することができなくなったという。
同地域の住民であるマーク・シダウェイさん(Mark Sidaway)は「ここ数年はラニーニャ現象の影響で雨が多く、芝生が成長するのに適した環境になりました。庭の芝を定期的にメンテナンスしておらず芝が伸び放題のところにカンガルーの群れがやってくるのです」と多数のカンガルーが現れた原因について推測している。
クイーンズランド州環境科学省(Department of Environment and Science、以下DES)で南部野生動物を担当するフランク・ミルズさん(Frank Mills)は「クイーンズランド州ではカンガルーに襲われるケースが少なくありませんが、ほとんどは雄のカンガルーによるもので縄張り争いや交尾に関係しています。マアルームで毎日60~80頭以上のカンガルーを確認していますが、周辺の森林はこれほど多くのカンガルーが過ごせるほど十分なものではありません。住民がカンガルーにエサを与えているという報告が届いており、これはカンガルーが人間に近づいてしまうのを助長し悪影響になります」とコメントしている。
地域住民の中には、カンガルーから身を守るためにジェルブラスター(水で膨らむ弾を使用しているため安全と言われているトイガン)を使用しているという報告もあがっており、フランクさんは「動物が人間に対してネガティブな印象を抱く可能性があり、より攻撃的になる恐れがあります」と警告している。
なお現在は警告看板を出すなどの対策を行っており、DESは「カンガルーを殺処分する考えはない」と明かしている。
画像は『ABC 2022年8月19日付「Kangaroo attacks leave coast town residents scared to leave home」(ABC Wide Bay: Jake Kearnan)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)