今月10日、米フロリダ州上空を飛行中のセスナ機のパイロットが意識障害を起こし、操縦不能な状態に陥った。そんな危機的状況の中、乗客の男性が操縦桿を握ったまま倒れたパイロットを操縦席から移動させ、急降下する機体を立て直し無線で助けを求めたという。操縦経験はまったくない男性だったが、航空管制官の指示のもとパームビーチ国際空港に無事着陸した。『CNN』『WPBF 25 News』などが伝えている。
5月10日、バハマから米フロリダ州フォートピアースに向かっていたセスナ機のパイロットが、2人の乗客に「気分が悪い」と告げたのち操縦桿を握ったまま意識障害を起こした。
そんな危機的状況の中、乗客のひとりであるダレン・ハリソンさん(Darren Harrison)は操縦席のパイロットを移動させ、急降下する機体を立て直し無線で助けを求めたという。
ダレンさんからの連絡を受けたフォートピアースの航空管制官チップ・フローレスさん(Chip Flores)は当時の状況をこう振り返っている。
「その日の正午頃、セスナ機の乗客から『大変なことが起こっています。パイロットの意識が朦朧としていて支離滅裂です。私は飛行機の操縦方法がわかりません』と報告を受けました。現在地を尋ねると、『分かりません。フロリダの海岸が見えるけど全く分かりません』と返事がありました。彼が安全に飛行できるよう位置確認を行うため、私は『翼を水平に保ち、操縦桿を前に押し出してゆっくりとした速度で降下してください。そして海岸沿いを北上または南下してください。私たちはあなたの居場所を確認しています』と伝えたのです。」
その数分後、ダレンさんが操縦するセスナ機はボカラトン沖合の上空で発見された。そして無線での交信はチップさんからパームビーチ国際空港のロバート・モーガン管制官(Robert Morgan)に引き継がれた。
管制官として20年のキャリアを持ちパイロット教官としての経験も豊富なロバートさんだが、