昨年12月、カタールからウガンダに向かう飛行機の中でひとりの女児が誕生した。まもなく臨月を迎えようとしていた母親が出産のため母国に帰る途中で突然、産気づいてしまったという。幸いなことにその便には医師2人と看護師1人が搭乗しており、ナイル川の上空35000フィート(10668メートル)を飛行中の機内で無事に出産した。『BBC』『New York Post』などが伝えている。
昨年12月5日、カタールのドーハを出発しウガンダのエンテベに向かっていたカタール航空の機内で女児が誕生した。
この時妊娠35週だった母親は、サウジアラビアでの就労を終えて出産のためウガンダへ帰国する途中だったそうだ。
そんな中で急に陣痛が始まってしまったが、偶然にも同便に搭乗していたカナダ・トロント大学教授のアイシャ・カティブ医師(Dr.Aisha Khatib)が出産に立ち会い、母子ともに無事だったという。
カティブ医師は当時の様子をこう振り返っている。
「ドーハを出発して1時間ほど経った頃、機内アナウンスで医師を探していると聞いて患者さんのもとに駆けつけました。周りには大勢の人が集まっていて、最初は心臓発作など重篤な症状だと思っていましたが、近づいてみると女性が座席に横たわっていて、頭を通路側に足を窓側に向けていて。まさに赤ちゃんが出てくるところだったんです。」
「幸いにもこの便には、私の他に腫瘍科の看護師と国境なき医師団(MSF)の小児科医が乗っていたので、彼らに助けてもらいながら赤ちゃんを迎えることができました。誕生すると元気に泣いていたので、すぐにチェックをしてから小児科医に診てもらいました。赤ちゃんもお母さんも安定していて『おめでとうございます。女の子です』と言ったら、機内全体が拍手と歓声に包まれました。それを聞いて“私は今、飛行機に乗っていて、みんなに見守られていたんだ”と思いました。」
ナイル川の上空35000フィートを飛行中に無事出産した母親は、