米ワシントン州の大きなショッピングモールの一角に、普通の民家がたたずむ光景が話題を呼んでいる。この民家に住む女性が立ち退きを拒否し続け、建設業者らが仕方なく女性の家を器用に避けるようにしてショッピングモールを建てた結果だった。立ち退き要求は2006年の話だが、現存する巨大ショッピングモールに囲まれたその小さな家は今も注目を集めている。『LADbible』などが伝えた。
玄関以外の3方面をショッピングモールに囲まれた家に住んでいたのは、米ワシントン州シアトル在住のエディス・メイスフィールドさん(Edith Macefield)だ。2006年、当時84歳だったエディスさんの暮らす地域で新しいショッピングモールの開発計画が始まり、周辺住民には金銭補助と引き換えに立ち退きの通知が出された。
ほとんどの住民が開発業者側のオファーを承諾して引っ越していく中、この立ち退きに応じなかったのがエディスさんだ。エディスさんは1952年に3750ドル(約44万円)でこの家を購入し、清掃会社「Spic ’N Span Cleaners」の店舗責任者として働きながら母親のアリスさん(Alice)と一緒に暮らしてきた。
立ち退きの話を受けた2006年、エディスさんの自宅は築108年の小さな古い家だったが、その土地はショッピングモールを建設するためには必須の場所だった。そこで開発業者は75万ドル(約8900万円)ものオファーを出したがそれでもエディスさんは立ち退きに応じず、最終的には100万ドル(約1億1900万円)を提示したが、エディスさんは「お金の問題ではない」と考えを変えることはなかった。
開発業者はエディスさんを説得することができないと判断しその土地を諦めたが、ショッピングモールの建設計画はそのまま進められ、エディスさんの家を避けるようにして5階建ての大きなショッピングモールが完成した。
また3年後の2009年にピクサー作品『カールじいさんの空飛ぶ家』が公開されると、