エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】小山田圭吾のいじめ問題 フリッパーズ・ギターのファンだったイラストレーター中村佑介氏「責任は僕にもある」

その謝罪文が腑に落ちたのだろう。

しかしフォロワーからは「虐められた事がある身としては…今虐めた奴等にある感情は怒りと憎悪だけです。それはこれからもずっと。茂木さんの大人な対応は良いと思いますが、賛同は出来ないです」と反発する声も見受けられた。

そんななか、17日にブログを「小山田圭吾さんのこと」と更新したのは『謎解きはディナーのあとで』など書籍の表紙や教科書『高校生の音楽1』まで手掛けるイラストレーターの中村佑介氏だ。中村氏は1990年代に青春時代を過ごし、いじめを受けて教室で居場所がなく辛い日々を送ったが、そんなときに小山田圭吾が在籍していたフリッパーズ・ギターの音楽に出会い救われたという。ところがフリッパーズ・ギターが解散して小山田のソロユニットCorneliusになった頃から時代が変化していく。中村氏は「渋谷系が擁する表現はどんどん先鋭化しながら拡張して、最終的に悪趣味・鬼畜ブームへと到達し、その頃には『サブカル』と呼ばれるようになった」という。小山田のひどい発言を載せた雑誌が発売されたのは、世間がそんな空気に包まれていた時である。当時その雑誌を読んだ中村氏は「その時代背景は知りつつも、雑誌の(確実に露悪性を持って「どや! こんな過激なインタビュー載せれるオレ、かっこいいやろ! もうイジメられる側ちがうぜ!!」と言わんばかりな)趣向は知りつつも、あの物知りお兄さん(小山田)がそんなことを実際していたなんて、これからどうやって彼の音楽と向き合っていったら良いのだとモヤモヤしました」と振り返っている。

それでも小山田が音楽性や発言の内容を変化させながら成長するのを見守り続けた中村氏。このたび再浮上したいじめ問題について「小山田圭吾さんの学生時代にしたことは、いじめにあった当事者からすると今も消えない深い傷です(僕も昨日のことのようにズキズキ思い出します)。決してすぐに整理されるようなことではありません」と指摘したうえで「ただ、それを知っていながら目をつむってファンとして神輿を担ぎ続け、オリンピック作曲者への道へと導いた責任は僕にもあると感じたのでこの文を綴りました。あなたに、ほんとうにごめんなさい」と結んだ。

ブログ読者からは「全く同じ思いです。素直な気持ち聞けて良かった。ありがとうございました」という声をはじめ、「ずーっと溜まっていたモヤモヤを全部代弁して下さって、読み終わって涙が出ました…小山田圭吾という人物をこの件で知った人たちにも読んで欲しいです。切り取られた部分だけを読んで欲しくない」、「小山田さんの行いに問題はある。本当に人として恥ずかしい行為をしたことは間違いないのですが、これを断罪できるのは当事者同士だけだと思っています」、「謝罪しなくても叩く、謝罪しても叩くネットの方々がやってるのは、批判というよりある意味いじめに見えましたが、中村さんの思い、よく伝わりました。ありがとうございます」などの反響があった。

画像は『Cornelius 2018年8月8日付Instagram「Mitsuo Shindo Retrospective」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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