母リスを交通事故で亡くしてしまった4匹の赤ちゃんリスを見つけた女性写真家は、毎日森を訪れてその成長を近くで見守っていた。しかし一旦森を離れなければならなくなり約5か月後に戻ってみると、宿泊していた部屋の窓際に子リスが現れたのだ。子リスも女性のことを覚えており、近づいても逃げ出すことは無かったという。野生のリスと信頼関係を築いてきた絵本のようなストーリーが話題を呼んでいる。『PetaPixel』などが伝えた。
英ロンドン出身の野生動物写真家で動物学者でもあるダニー・コナーさん(Dani Connor)は昨年6月、撮影のためにスウェーデン北部の森を訪れていた。
その中で出会った1匹の雌のキタリスを“レミー(Remy)”と名付け、追いかけて撮影していたという。しかしある日、車に轢かれて変わり果てた姿のレミーを道路で見つけてしまった。
心を痛めたダニーさんは、小さな葬式をしてレミーとの別れを惜しんだ。すると近くの木に子どものキタリスがいて、それがレミーの子ども達だと気付いたという。
ダニーさんはその近くに腰を下ろし、子ども達を育てる大人のキタリスが現れるかどうか7時間ほど待ってみたが、一向に現れる気配はなかった。
「アニマルレスキューに連絡すると『親無しで生きるには幼すぎます。保護が必要です』と言われました。でも生後7週の小さなリスたちをどうやって捕まえればいいのか、見当もつきませんでした。」
戸惑ったダニーさんだったが何かしなければと思い、森を訪れて毎日4~6時間も全部で4匹いた子リスたちを見守り始めた。
「ずっと観察していると、4匹を見分けられるようになってきました。ペア(洋ナシ)が大好きな“ベイビー・ペア(Baby Pear)”、丸い耳を持つ“チェブラーシカ(Cheburashka)”、一番体が小さくて毛の色が明るい“ベイビー・ムーミン(Baby Moomin)”、そして最後の1匹には“リトル・フレーム(Little Flame)”と名付けました。みんなそれぞれ性格が異なっていましたね。」
「キタリスは生後1年の死亡率が70%と言われています。猫などの天敵や交通事故、森林伐採なども子リスにとっては大きな危険となるのです。」
一緒に過ごすうち、子リスたちはダニーさんの声が分かるようになり、声をかけるとすぐに近づいてくるようになったという。その後もダニーさんは子リスたちが木を昇り降りして追いかけっこをしたり、食べ物を隠したりして成長していく様子を毎日見守った。
しかしダニーさんが徐々に子リスたちと過ごす時間を減らしていった昨年7月、