昨年7月、アメリカ人として初めて2度目の顔面移植手術を受けた女性が、手術から7か月経った現在の心境を語った。女性は2013年の最初の顔面移植手術後に拒絶反応との闘いが続き、2019年夏頃からは顔面が崩壊し始めたという。『TODAY』『People.com』などが伝えた。
米ニューハンプシャー州マンチェスターに住むカルメン・ブランディン・タールトンさん(Carmen Blandin Tarleton、52)は2007年6月、当時の夫に野球のバットで殴られたうえ工業用の苛性アルカリ溶液をかけられ、身体の80%に火傷を負い、両目の視力をほとんど失った。
2013年2月、カルメンさんは1度目の顔面移植手術を受けたが、その後拒絶反応が強くなり、昨年7月に2度目の移植を受けた。
同一患者への2度の顔面移植手術はアメリカ初、世界では2例目と非常に少ないが、カルメンさんは手術に踏み切った理由について次のように述べている。
「最初の顔面移植手術を受けた後は、それまで続いていた顔の痛みが嘘のように消え、人生をやり直すことができました。私は人々をインスパイアするために全国を旅し、『希望を捨ててはいけない。どんな悲劇に見舞われても、怒りや憎しみは捨てよう』と講演を続けてきたのです。」
「しかし2019年8月頃から、首の激痛や耳の焼けるような痛みに襲われて顔が腫れ、唇のほとんどを失いました。またよだれが垂れ、左目に人工角膜を入れているにもかかわらず瞼が下がり、顔面の血管が狭窄や閉塞を起こし始めたのです。2度目の移植を受けるまでの形成手術は73回に及び、私は医師に『もし私が志願できるなら、2度目のチャンスが欲しい』とお願いしました。」
マサチューセッツ州ボストンにあるブリガム・アンド・ウイメンズ病院の形成外科医ボーダン・ポマハク氏(Bohdan Pomahac)によると、