劣悪な環境の動物園で、パートナーを亡くしてから8年間ひとりぼっちで過ごしてきたゾウは“世界一孤独なゾウ”と呼ばれた。この惨状を知ったチャリティー団体が動き、10時間の輸送を経て野生の環境に近い保護区へ移動させた。久しぶりに他のゾウを目の前にし、その存在を確かめるように優しく鼻で触れる姿に関係者は目頭を押さえた。『The Sun』などが伝えている。
アジアゾウの“カーバン(Kaavan)”は1985年、子供だった頃にスリランカからパキスタンの首都イスラマバードにあるマーガザー動物園に連れてこられた。35年をそこで過ごしたカーバンだったが、2012年にパートナーの“サーヒリー(Saheli)”が亡くなってからの8年間は新しいゾウがやってくることはなく、ひとりぼっちのままだった。
カーバンは孤独だったことに加え、劣悪な環境で飼育されていた。今年5月、動物虐待にあたるとしてパキスタンの裁判所により同動物園は閉園が命じられた。以前よりカーバンの悲惨な状況を知っていた米歌手・女優のシェールさん(Cher、74)は、2016年からカーバンをより良い環境へ移送させるためのキャンペーンをSNSで行っており、注目を集めた。
ゾウを輸送させるためには飼育環境などのチェックがあり、厳しい審査を通過しなければならない。シェールさんのキャンペーンが功を奏し許可が下りたことで、カーバンはようやく新しい動物園への移動が決まった。
シェールさんが共同設立した動物園と動物保護施設の支援や、