ナイジェリアに住む11歳の少年が雨の中でバレエを踊る動画がSNSで拡散され、素晴らしいダンスに称賛の声が多数あがっている。動画を見て感動し、この少年に奨学金を支払うという人物まで現れた。男性のバレエダンサーが認識されていないナイジェリアで、少年は「男性ダンサーのステレオタイプについての物語を変えていく」と語っている。『London Evening Standard』『BBC News』などが伝えた。
SNSで話題になったのは、11歳のアントニー・メソマ・マデゥくん(Anthony Mmesoma Madu)がナイジェリアの都市ラゴスでダンスしている動画だ。雨が降り注ぐ路上で、裸足のアントニーくんが美しいバレエを披露している。アントニーくんはラゴス市内にある「リープ・オブ・ダンスアカデミー(Leap of Dance Academy)」に通う12人の生徒の1人である。このダンスアカデミーは、ダンスを独学で学んだというダニエル・アジャラ・オーセニ氏(Daniel Ajala Owoseni)により2017年に設立した。
自身のダンス動画が多くの人に見られていることについて、アントニーくんは『BBC News』のインタビューに「とても幸せだと感じている」と明かしたうえで、このように語っている。
「僕が住んでいる場所では、男のバレエダンサーはいないんだ。バレエは女の人だけが踊るものと思っているから。」
「僕を見て、男のダンサーが存在しているってことを分かって欲しい。踊っていると、夢を見ているかのような感覚に襲われるんだ。」
「僕たちは、男性ダンサーのステレオタイプについての物語を変えていくんだ。男の子は実際に踊れるし、凄く上手だよ。バレエでは、男性が女性を抱え上げる“パ・ド・ドゥ(2人のステップ)”があるんだ。男性のバレエダンサーは定着していて、女の人だけのものじゃないんだよ。」
米女優でプロデューサーのヴィオラ・デイヴィスはアントニーくんの動画をリツイートし、