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writer : ac

【海外発!Breaking News】武漢で連絡が途絶えた市民記者が伝えていたこと「感染は深刻」「生きている限り取材を続ける」

昨年12月末に新型コロナウイルスの感染拡大の可能性を指摘し、中国当局から「デマを流した」と処分を受けた湖北省武漢市在住の医師・李文亮氏(33)が今月7日に死亡したことは記憶に新しい。日本時間11日午前8時の時点でコロナウイルスの感染者数は42,759人、死者は1,013人と感染は急速に広がっており、SNSでは政府の初期対応の遅さや情報公開のあり方に対して批判が強まっている。そんななか、武漢市に足を運び市民ジャーナリストとして活動していた陳秋實氏(Chen Qiushi、34)と6日午後7時以降連絡が取れなくなっていることが明らかになり、家族や友人が懸念を示している。人権問題に関わり活動していた弁護士でもある陳氏は武漢市から何を伝えていたのか。

新型コロナウイルスの発生源とされる武漢市に1月24日に入り、市内や病院などの様子を動画に収めてはSNSに投稿してきた市民ジャーナリスト・陳秋實氏と連絡が取れなくなっている。陳氏はカメラの前で「SNSにはたくさんのデマがあるだろう。でも私は自分の足で取材しており、嘘は一切ない」と語り、武漢市内の様子を伝えてきた。以下は1月30日の動画から抜粋したものだ。

「この動画を見てくれ。でもアカウントを削除されるから、メッセージアプリ『WeChat』でシェアはしなくていい。私もアカウントを失った一人だ。」
「これまでにいくつかの病院へ行ったが、医療関係者にインタビューはできていない。彼らが当局から取材に応じないよう命令されているからだ。」
「マスクなどの医療用キットの支援はあるが、それが必要な人たちに届いていない。警察官に『病院用のマスクをくれ』と言われたボランティアもいる。とにかく現場はパニック状態だ。医師が足りないんだ。新病院の建設に携わっている労働者の目は真っ赤で毎日2~3時間しか寝ていないと言う。」
「1月29日に武漢の病院に行った。人はあまりいなかった。何故かって? 感染者は家に閉じ込められているんだ。それに病院に行ってもベッドがないとわかっているから行かないんだ。」

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