数々の作品に出演し、惜しまれつつも昨年9月に他界した女優・樹木希林さん(享年75)。彼女が出演したCMで記憶に残るものと言えば、1978年から出演していたフジカラーのCMだろう。写真店で樹木さんが客・綾小路さゆりとなり、店員役の岸本加世子とのコミカルなやり取り「美しい人はより美しく、そうでない方は…」「そうでない場合は?」「それなりに写ります」が好評で、流行語にもなった。しかし、樹木さんの一人娘で女優の内田也哉子は『イヤだなあ』と長年感じていたという。
11月1日に都内で開催された『2019 59th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS』贈賞式に出席した内田也哉子。同アワード「フィルム部門(テレビCM)・演技賞」「ACCゴールド」を富士フイルム『樹木さん2018年末特別篇』が受賞し、内田が樹木希林さんの代理で登壇した。このCMは2018年に他界した樹木希林さんのフジカラーCMでの功績を振り返るものだ。
受賞者代理のスピーチで内田は「私は見ての通り、母の樹木希林にそっくりだと言われ続けてここまできました。それは正直内心『イヤだなあ』と思っているんですね」「その『イヤだなあ』の筆頭株が実はこの綾小路さゆりさんなんですね」といきなり暴露して驚かせた。樹木さんが長年CMで演じた客・綾小路さゆりがイヤだったという内田は「美しい方とそうでない方のそのそうでない方で。化粧も白塗りで年を取ってもいつまでも振袖を着て、子供の頃よくからかわれたり、いじられました」と苦い体験も打ち明けた。
そして「母は弱者に寄り添うとかでなく純粋にはみ出した人が好きで仕方がないなんですね。人の滑稽なところをいかにチャーミングに見せるかということを常に考えていたのではないかと思う」と振り返り、