吉本興業の一連の騒動。そもそもは吉本に所属するお笑い芸人が2014年12月に反社会的勢力の振り込め詐欺グループによる忘年会に参加して金銭を受け取っていたことを、今年6月7日発売の写真週刊誌『フライデー』が「よしもと芸人の闇営業」と報じたことに端を発する。当初は宮迫博之と田村亮をはじめ参加した芸人は「金銭を受け取っていない」としていたが、吉本が聞き取り調査した結果、宮迫と田村を含む11名が金銭を受け取っていたことが判明、6月24日に謹慎処分を下した。事態は宮迫と田村が7月20日に独自で謝罪会見を行って急展開する。吉本興業の不透明な運営と芸人への不誠実な対応が明らかとなり、吉本興業代表取締役社長・岡本昭彦がそれを受けた形で22日に記者会見を行った。22日は第25回参議院選挙の投開票日の翌日であったにもかかわらず、テレビ各社は岡本社長の会見を生中継。宮迫、田村の会見での訴えが「事実なのか?」誰もが岡本社長の発言に「真相」と「イエスかノーか?」を求めた。5時間半にも及ぶ会見であったが、結局は人々が求める回答は得られなかったと結論付けられた。しかしながら一連の報道だけで「真実」を求めるのはいささか安直すぎるかもしれない。およそ8年前、島田紳助さんの引退時に今回の事態を予見したかのようなある警鐘を鳴らしたジャーナリストがいた。
まず宮迫博之と田村亮の会見により、吉本興業の岡本昭彦社長ら運営側が芸人たちに対して傲慢で不誠実なことが見えてきた。それを受けてテレビ番組で松本人志や加藤浩次が憤りとともに吉本の運営のあり方を指摘したのをはじめ、所属芸人がSNSで次々と不満をツイートしている。
吉本興業とその所属芸人は当事者であり、それぞれが深刻な事態に直面し意見し合うのは当然のことだ。ただ、物事は白黒簡単に付けられるものばかりではなく、