エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】『メゾン・ド・ポリス』じわじわくる人情味と社会性、中盤からさらにシリアスな展開も

加藤実秋氏による小説シリーズをもとに実写化したTBS系金曜ドラマ『メゾン・ド・ポリス』は、見るほどにじわじわと引き込まれる。主人公の新人刑事・牧野ひより(高畑充希)が事件の手がかりを得ようと飛び込んだのは、退職刑事のおじさまばかりが暮らすシェアハウス「メゾン・ド・ポリス」だった。

当初はひよっこ刑事のひよりと元ベテラン刑事のおじさまによる噛み合わないやりとりが見どころと思われた。もちろんそれをドラマ全体が暗くなり過ぎないための大事なシチュエーションとしつつ、物語は回を追うごとに社会性を強めていく。

第1話は「デスダンス事件」と呼ばれる焼殺事件の真相を追い、息子を愛する母親の狂気とそれを利用する残虐な息子という悲しい結末に辿り着いた。第2話「PTA総選挙」は小学校のPTAを舞台に選挙を巡り「不倫」が絡む「歪んだ人間関係」に斬り込む。

第3話「青い死体」では猫を殺害して青いペンキをかける「青猫事件」から殺人事件に発展、マンション建設に反対する真犯人の悲しい理由が浮き彫りとなった。そのように事件と犯人を巡る事情は社会性を反映させたシビアなものだ。

2月1日に放送された第4話「なかよしくらぶ」はインターネットのオンラインゲームとその「裏掲示板」を巡る暴行事件を追うなか、定年してリタイアしたシルバー世代の孤独が描かれた。ネットの闇と高齢化社会というまさに直面する社会問題である。

そうした辛い事件を描きながら、

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